「午後の人妻 童貞嫐り」-9
「せっかくのカラオケボックスなんだし、何か歌おうよ」
内藤夫人が備えつけの歌詞カードを繰りながら、カラオケのセットに曲名のインプットをはじめていた。
いわれてみれば、3人がこの個室に入ってから、まだ15分もたっていない。
個室の予約は1時間してあったから、残りの時間はたっぷりあましていた。
やがて、部屋いっぱいにド演歌のイントロが流れ出し、それに合わせてモニター画面に映像も流れはじめた。
情緒的な風景を背景に、男女モデルが甘く切ない悲恋の物語を演じるストーリーのようだ。
その映像にかぶせて、内藤夫人の過剰にこぶしを利かせた歌声が流れ出す。
由子は画面の中の男性モデルをボンヤリと眺めていた。
なかなかのイケメンだったが、
ふと彼が童貞青年で、
由子がセックスの手ほどきをしている幻影が浮かんだ。
その幻影に感じて、
彼女の身体の奥のほうで、
何かが疼きはじめていた。
股間のクレバスのあたりが、
わずかながらジュンとしどり濡れたようであった。
(第1回了)