西畑自己満ラジオ裏 〜アシスタント長峰の憂鬱〜-4
変わらぬ日常を過ごし、再び、自己満ラジオの収録を迎えた。
そこで、西さんから手紙を渡された。
桜ちゃんからだ、と告げられて、私は急いで中を読んだ。
間違いだらけの平仮名。でも、私には桜ちゃんの思いが伝わってくるようである。
『ながみねおねえさんへ おえかきたのしかったです また あそんでね』
「伝えといてやるって言ってるのに、手紙を書くってうるさくって、桜の言うとおり俺が一回書いて、それを必死に真似してた」
「それがものすごく可愛いんだよ」と西さんはのろける。
「あと、長峰ちゃんのスケッチブックに桜が似顔絵描いただろ」
「はい、あれですね」
「あれな、長峰ちゃんの顔らしいぜ。なんでも、元気を出して欲しかったらしくて」
その言葉に、私の目は潤んだ。
でも、泣くのはぐっとこらえた。
だって、桜ちゃんが描いてくれた私の似顔絵は、ニッコリと微笑んでいたから。