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【私のビョーキ】
【ショタ 官能小説】

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【私のビョーキ】-4

 放課後、昨日の公園に行くと、ブランコにアッキーがいない。
 代わりに男の子達四人が、縄跳びの紐でブランコを縛っている。

「ちょっと君達、なにしてるの?」

 私は出来るだけ威嚇しないように、声を抑えて尋ねてみる。
 すると、背は低いけど太っちょな子が私を嫌そうな目で見つめる。

「なにって、秋雄が学校サボってブランコで遊んでるっていうからさ、使えないようにしてるんだよ」

「でも、そういう事すると他の子が困るんじゃない?」

 あくまでも秋雄を知らない第三者を装い、彼らの説得を試みる。出来れば名前やクラス、学校名や他のことも聞き出したいし、密告するのもありだ。

「なんだよ、ばばあ、俺らの公園で何したって勝手だろ?」

 なんでここら辺の子供たちは目上の女子中学生を婆と言いたがるのだろう?
 もうキレていいかな? っていうか、マジでカワイガッテアゲタイ。もちろん、体育会系のやり方で。

 手の平を広げればバスケットボールも片手でつかめる。多分同い年の男子にだって引けを取らないであろう握力なら、この子達を二人ずつ、四秒ずつ、十秒とかからずにしっかり泣かせることが出来る。
 隣にいた子が私の足に砂をかけてきたので、まず最初の犠牲者は野球帽を目深に被った洟垂れ坊主からにしようと決めた。

「やめろよー!」

 私が野球帽に手をかけたと同時に、アッキーがどこからともなく走り出してくる。
 ブランコにいないと思ったら、トイレに隠れてたんだ。
 なんか臭そうなアッキーだ。

「早川! 学校サボってなにやってんだー、トイレに籠もってションベンちびってたんだろー」

 早川? 誰? アッキーは島本秋雄でしょ? この子達、何を言ってるの?

「うるせー、ユッキーをイジメるんなら許さないぞ! お前らなんか怖くないぞ!」

 必死で腕を振り回すアッキーだけど、多勢に無勢。いじめっ子達もチームワークがあるのか、一人が狙われそうになったら、しっかりフォローする。チームワークがいいみたいだし、イジメなんかよりバスケとかするといいのに。

 逆に、お世辞にも運動神経が良さそうといえないアッキーはすっかり手玉に取られ、今にも泣き出しそうに顔を真っ赤にする。
 私が手を出せばきっと形成は逆転する。っていうか、アッキーはいらない。

 だけど、手助けしないことにした。
 子供のけんかに私が出るのもなんだし、それに嬉しかった。
 アッキーは私が四人にイジメられそうになったのを見て、助けに来てくれたんだし。


 すりむいた膝をハンカチでさする。消毒は出来ないけど、砂ぐらいは払っておきたい。
 アッキーは顔をしかめながら痛みに耐えるけど、男の子としての意地なのか、声を上げたりはしなかった。
 あのあと、アッキーはいじめっ子のうちの一人が転んだのをみてしっかりとマウントポジションをとり、ついには泣かせたのだった。
 一人が泣かされると、他の三人も顔を見合わせ、「先生に言いつけてやる」と捨て台詞を残して帰った。


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