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【私のビョーキ】
【ショタ 官能小説】

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【私のビョーキ】-2

「わかってんじゃん」

 秋雄は私を押しのけるようにブランコに乗ると、まだ私がどけていないにもかかわらず地面をけって加速する。
 まったく乱暴な子だ。うんと懲らしめてやらないとね……。
 私は彼の乗るブランコを押してあげる。

「ちょ、なにするんだよ」

 急な加速に驚いた秋雄は声を震わせる。

「お詫びに押してあげるね」

 私は笑いたいのを我慢しながら、せっせとブランコを押す。

「ほーら、しっかり掴まっていないと振り落とされちゃうよ」

 さらに加速、もっと加速、これでもかっていうくらい加速……!
 秋雄はブランコに必死にしがみ付いて固まっている。
 きっと怖くて震えているんでしょ? ざまーみろ、大人をからかったバツだ!

「や、……はえー、美雪、もっともっと! わーい」

 ……と思っていたら、彼は歓声を上げた。
 ブランコの勢いは時計で言う三時と九時を過ぎるくらいの高さまで駆け上がるというのに、まったく怖れている様子が無い。私なんて八時でも怖いというのに。

「はえー、たかーい、ひゃっほうー」

 バカらしくなった私はブランコを止める。

「ん、あれ。美雪、止めるなよ、もっと押してよ」

「あのねえ、秋雄君。お姉ちゃんは年上なの。ちゃんと礼儀ってものをわきまえてほしいな」

「礼儀?」

「そうよ、学校で習わないの?」

「学校、嫌い」

「え……?」

「だって、学校行くとイジメられるんだもん」

「イジメられるって……」

 最近の小学校の学習カリキュラムはしらないけど、普通ならまだ学校にいるべき時間帯。そもそも、自分と同じ時間にいるのがおかしいのだし。

「そう……それは……」

 学校に行くべきよ。
 大人ならそう言うべき時に、私はそれを言えない。

「それじゃあ、いつもどうしてるの?」

「学校行くふりしてここで遊んでるの」

「おまわりさんとかに見つかったりしない?」

 というか、補導員がいたら私も隠れないといけないし。

「へへ、俺はそんなへましないよ。おばさん達の見回る時間なんてスーパーのタイムセールの時間ぐらいだし、その時は滑り台に隠れるんだ」

「見つかっちゃったら?」

「その時はトイレに隠れる。鍵も掛けられるし、あ、でもスゲー臭いけどね」

 鼻を摘んで顔をしかめる秋雄に、私はついつい笑ってしまう。


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