振り向けお前っ!10話〜デート、告白、夏の夜の海・・・-9
「で、どこ行くんだ?」
てか、いきなりデートとかどうしたんだあいつは。
「そうね・・。遊べるところがいいわね。」
「昨日も海で遊んだのに元気な事で。」
「うるさいわね、」
「デートで遊べるって言ったら遊園地とかか?」
「いいわね。」
でも、ずーっと遊園地ってわけにも行かないだろうからな・・。
「映画でも行くか、その後でいいんじゃないか?」
「映画なんてあるの?」
そう聞かれたが歩きながらふと視線を上げたら目の前にあった。
「あったな。」
さっきから振り回されてばっかりで、かなり恥ずかしかった。
「何見るかな。」
と、適当に良さそうなのを選んで館内に入って言った。
そして始まる。
内容はベタな恋愛物だった。
(な、何よこれ!?逆にいいい、意識しちゃうじゃない!)
と阿佐美はうろたえていたが
悠太はそんな事は微塵もないようだった。
「・・・失敗したな、もっと別の映画の方が楽しかったかな?」
などと、悠長に言っていた。
そんな姿を見た阿佐美は・・・
やはり、自分にはまだ振り向いてくれないのだろうと思い少し物寂しい気持ちでもあった。
そんな阿佐美に察したのであろう
「どした?」
「い、いや何でもないわよ。」
「そうか?何かいつもと違うような気がしたんだけど俺の気のせいだったかな。」
「そうよ、気のせいよ。」
(なんでこういう時だけ鋭いのよ!)
結局阿佐美は意識しっぱなしでほぼ内容を覚えてなかった。
さて、終わったしお前が希望してたところでも行くか。
という事で遊園地にやってきた。
映画のせいで、阿佐美は落ち着かなかった。
悠太は時折変な奴だなと思っていたが口に出したら、何か危険な気がしたので静かにしていた。