Cure's CHOCOLATE-1
萩原コノ子、16歳、彼氏持ち。
そう、アタシ彼氏がいるんです〜!中二の時から付き合ってて、今、高二だからえぇっと………かなり長く付き合ってます!
アタシが純粋無垢な少女時代も色艶やかな乙女時代も知ってる、アタシの大事な大事な人。
だって哲希のおかげで『女』になれ
「コノオォォォォッッッ!!」
うわっ!何!?
「下ネタは禁止だって言ってるだろ!」
橋田哲希、17歳、彼女持ち。
この人こそアタシの大事な人。ていうか、何で分かったんだろ。
「いいか、コノ。お前下ネタばっか話してたらあの女のような、いやしい女に…」
「なーらーなーいっ!」
哲希が言うあの女って、哲希のお姉ちゃんのことなんだけど、哲希はお姉ちゃんが怖いんだって。でもすごく綺麗で良い人でNo.1キャバ嬢さんなの。哲希曰く猫被りらしい。
まっ、そんなことはどうだっていい。
哲希が何かを思い出してガタガタ震えてるので、アタシはバシバシ頬っぺたを叩いた。
「ほらしっかり!続きしよ、続き」
「あ、お、おぉ!だな!」
え、何?今更何だって?アタシたちボーリングやってますけど何か問題でも!?
「行くぜぃ、ほっ」
哲希が綺麗なフォームでボールを転がすと、少しカーブしながら真ん中のピンに吸い込まれていった。
その後すぐに花火のように弾け飛ぶと頭上の画面に『STRIKE!』と表示された。
「よっしゃー!」
「哲希っ」
乾いた音を立てて互いの掌がぶつかる。
「次アッタシー!」
狙いを定めて姿勢を正す。よ〜く狙って、この位置から真っ直ぐ真っ直ぐ…。
「でやー――――っ!」
ガッコン。
「…」
「…」
いやいやいや。
「よーし、もっかい!せいやー――――っ!」
ガッコン。
「…」
「…」
ガーン…。またガーター…。さっきからアタシ、ガーターばっかじゃないすか。運良く倒しても何でか知らないけどファールしちゃって、アタシのスコアはGとFのオンパレードっすよ。
フォームは満点て言われたのに…。