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双子月
【学園物 官能小説】

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双子月5〜ふたり〜-1

「・・・っ・・・ぁ」

声にならない声が静かな体育館に微かに響く。夕日が眩しいぐらいに差し込む体育館は、いつもと打って変わって静かだった。



「明日もテストは続くので、今日はちゃんと帰って明日に備えてね〜。」

担任の先生はにこやかに言っていた。
テストの期間、部活動など、全ての活動が休みになり、生徒は早い時間に下校となる。そのため、いつもは賑やかな校内は静まり返っていた。

「立花さん、図書館もそろそろ閉めるんだけど・・・。」

司書の田崎が声をかけた。

「あ!はい、分かりました。」

美月は図書館にいた。
今日のテストは午前中で終わり、午後からは校内の図書館で明日のテストへむけて勉強をしていたのだ。

「どうしたの?なんだかぼ〜っとしてたわよ。」

よく図書館を利用している美月は、司書の田崎とも顔見知りだった。その田崎は、いつもと様子の違う美月に、心配そうに首を傾げる。

「なんでもないんです!・・・テストでちょっと疲れたのかも。」

美月は慌てて弁解すると、苦笑いでごまかした。

「そう、じゃあ今日はゆっくり休んでね。テスト期間は体調も整えないとね。」

田崎はあっさりと美月の言葉を信じ、労いの言葉をかけて、図書館内にまだいるほかの生徒に声をかけに行く。美月はその姿を見送ると、小さくため息をついた。美月は田崎の言うように図書館につくなり、教科書やノートを開いたまま、ぼぅっとしていたのだ。しかしそれは勉強の疲れなどではなかった。

図書館を出て、廊下を歩きながら、美月はぼぅっとあることに捕らわれていた。
東条に呼び出された絶望の朝から1週間が過ぎ、あれから東条は何も言ってこない。

(交換条件はもう成立したってことなのかな・・・)

葉月の屋上での事を学校に黙っていることの交換条件に提示されたのは、恥ずかしい行為の数々。美月にとっては未知の恐怖でもあった。
しかし、この1週間ずっとあの行為が頭から離れないのだ。それどころか、あの時のことは美月の体を甘く疼かせ、オ○ニーまでしてしまった。

(私、変になっちゃったのかも・・・)

そう思いながらも、思い出すたびに体が疼いてしまう。思い出しながらの行為は、今までのそれとは比べものにならないほど、美月をとろかすのだった。

(ヤダ、私ったら・・・)

人の気配のない廊下で一人、美月は頬を染めた。今もまた、自分の体に官能の火が灯るのを感じずにはいられなかった。
足をモジモジと摺り合わせるように歩き、突然襲ってきた欲望に戸惑いながらも、それは急速に大きくなっていく。


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