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恋愛武勇伝
【純愛 恋愛小説】

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恋愛武勇伝 第三章 kazuko編-7

=伝統行事=

で、kazukoにそのことを言ったわけ。
「お前に、優勝の賞状をプレゼントするぜ!」って。
そしたらkazukoの奴、大笑いしやがって。
「ムリ無理!
最後まで走れるかどうか、分かったもんじゃないわ。
優勝なんて、とってもムリよ。」
「なんだょ、それわ。
ひとがやる気出してんのに。」
「ごめんごめん、めんごぉ!
いいわ、完走したら、認めてあげる。
ビリッけつでもいいから、最後まで走って。
但し、歩いたらだめ。
あたしも出るから、一緒に走ろう?」

そこまで言われちゃ、もうやるっきゃねえ。
なぁに、たかだか5kmぐらいだ。
なんてこと、ないわさ。
と言いつつも、全然運動してねぇなんだょな。
で、夜に走ることにした。
俺ん家から大体3kmぐらいなわけで、kazukoん家わ。
そんでもって、なんかさ、kazukoが家の前でまってるた゜ろ?
俺が到着すると、chu!なんて、いいジャンか!
いい、いい、これ、ぜってえ、いいって!

「これ、kazukoに預けとくわ。
ズルしたくならないようにさ。」
カッコつけて、車のキーを渡しちまったぜ。
「フーン、本気なんだあ。
でも、いつまで続くかな?」
鼻に小じわなんか寄せやがって。
俺、マジだかんナ!

バテバテだぁ!
きっつい、マジで。
あいつら陸上部の連中、こんなこと毎日続けてんだな。
すっげぇわぁ、マジで。

いゃあ、良かった。
kazukoに、
「お前ん家まで毎晩走るぞ。」
なんて、言わなくて。
三日坊主じゃないが、一週間で、グロッキーだ。

「感心、感心!
あたしも、付き合っちゃおうかな。」
帰り際、とんでもないことを、kazukoの奴、言い出した。
知ってたんだよ、俺が毎晩kazukoん家まで走ってたの。
霊感が、ひょっとしてある?
俺の呼ぶ声が聞こえたんだって。
そう言えば、最初の夜、声には出さなかったけど、
“kazuko、来たぞ!”って。

結局、kazukoも走ることになった。
まっ、それはそれで嬉しいんだけど。
kazukoの奴、
「ねぇ、夜走るのはやめようよ。
父さんがさ、うるさいんだょ
て、言い出して。
結局昼中は暑いから、早朝になっちまった。

六時、六時だぜ。
やってられないぜ、まったくぅ。
おかげで、昼寝なんかしてるょお。
あっ、言ってなかったっけ。
夏休みに入ったんだよ。
分かって分かってるう。
夏休みにビシッときめるつもりだったけど、伸ばよ。
校内マラソンって、約束が出来ちまったんだから、仕方ないジャン!

しっかし、九月なんて、まだ暑い。
下旬だって、センセー様は言うけどょお。
暑いぜ、マジで。
毎年、二三人ぶっ倒れるって話ジャン?
保健室に担ぎ込まれるって。
それって、ヤバクない?
PTAで、問題にしてくんないの?
ホントかどうか知んないけど、
“伝統行事だ!”
って、おっさんが一喝したって話があるんだけど。
マジで?!


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