夏の終わりに Last-6
夏休みも後10日を残すのみとなった。
いつの間にか鳴いているセミの声が変わった。昼間の暑さも幾分か和らぎ、夕方の風が心地よく感じる。
野球部の練習も後1週間あまり。その後は2学期の実力テストが明けるまで部活は禁止となる。
「じゃあ!お先」
部活を終えた私は、いつものように部室を飛び出す。
美術準備室で絵のモデルの後、
「…はぁ…ぁ…ぃい!…もっと…」
いつもの情交。熱い篠原の膣内に、私は夢中になった。
「…はぁ…はぁ…ショウ君…ショウ君…」
作業机に腰掛ける篠原。私は夢中で腰を振り続けた。彼女のしなやかな手足が私の身体に絡みつく。
「せ、先生!…もう、ああ!」
「…あっ!…いいわよ…うんっ!…私も…すぐに…」
私は、篠原の腰を強く抱きしめ、ペ〇スを奥へと突いた。その瞬間、腰がしびれるような感覚が伴った。
「…はああっ!今っ!ああぁっ!」
遅れて絶頂を迎えた篠原の爪が背中に食い込む。
お互いが抱きあったまま、後の脱力感に浸っていた。
部活を終えた2時間半後、私は篠原のクルマで学校の門を後にした。
夜。夕食の最中、チームメイトの太田が訪ねて来た。
「ヨォ!どうしたんだ?こんな時刻に」
「すまん、正吾…」
「おまえ夏休みの課題か?悪いけどオレも1/3くらい……」
「悪いけど正吾。そうじゃないんだ」
私の言葉を遮った太田の表情は、どこか思いつめていた。
「…ちょっと表で話さないか?」
私は太田に付いて玄関口を出た。
「どうしたんだ?やぶからぼうに」
「正吾…あの美術の先生。止めたほうがいいぞ…」
私はその直後、冷静でいられずにヒザが震えだした。篠原との関係を人に知られたのだ。
「…おまえが、毎日早く帰るから変だと思ってさ。
あの先生には他にもいるからな」
「いい加減にしろよ!キサマ」
太田の忠告に、私は頭に血が昇ってしまい胸ぐらを掴んだ。
「先生は、そんな人じゃない!おまえに何が分かるんだ」
ひとり声を荒らげる私に対し、太田は冷静な口調で返す。
「野球部の先輩にもな。あの先生とやったっていう人がいるんだ…」
私を見る太田の顔は、どこか悲し気だった。
「オレはそんなこと信じない!」
「そうか…夜分にすまなかったな」
太田は、そう言うと私に背を向け帰っていった。
(…絶対ウソに決まってる。アイツ、このところオレが付き合い悪いから、でまかせ言いに来たんだ)
あの時、頭に血の昇った私は、冷静な判断が出来なかった。