今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT1>-4
「声、出せよ」
「…恥ずかしいですっ…」
「好きなくせに」
こんな乱暴な先輩も、今では嫌。
ただ、あたしを抱くためだけにあたしの部屋にやってくるみたい。
「こういうことがしたいだけなんですか?」と問い詰めようと思ったこともあった。樹里に相談してみようかとも思った。
だけど、だけど…あたしはそんな風に自分の気持ちを伝えることなんかできなくて。
「あっ…アアっ…!!」
あたしは…今では先輩のことが好きかどうかすらも…わからない−−
目が覚めて、枕元の携帯電話を見ると、8時をすぎた頃だった。
裸のあたしの体は、毛布にくるまれて温かい。
だけど少しだけ手を伸ばし、自分の体がシーツに触れていない部分を触るとひんやりと冷たくて。
――先輩の温もりなんて、あるわけもない。
先輩は行為を終わらせるとシャワーを浴びて、すぐ帰っていく。
樹里は、『ユースケ』…っていう人に抱きしめられて、たくさん感じたんだろうか。
あの『ユースケ』のことだ。
多分セックスだってたくさん経験してて、樹里をたくさん感じさせているに違いない。
それに樹里だって「イイ」って言ってたし…
――あたしは樹里と、ユースケ君がセックスしてるところを頭に思い浮かべてしまっていた。
ベッドの上で…ユースケ君は樹里の脚と脚の間に顔を埋めて、樹里は体を反らせて…悦んで。
樹里のいやらしい顔が、あたしの頭の中に描かれる。
あたしの手は、自然と自分の『イイトコロ』に触れていた。
「はっ…ぁあっ…」
あたしの妄想は…だんだんと激しくなっていく――
「樹里さん…俺我慢できないよ…」
「そんなに興奮しないで…? あっ…だめ、指…そんなにしたらイッちゃ…うっ…」
「イッてよ…樹里さん…」
「やだ…指なんかじゃなくて…ユースケのオチ×チ×じゃなきゃ嫌…」
樹里が卑猥な言葉を発して、ユースケ君を求めて。
「樹里さんこそ、我慢できないんじゃん…」
ユースケ君が不敵な笑みを浮かべ、樹里の太ももを強引に開き、持ち上げると樹里の中に――
…あたしが触れている部分は、すごく熱くて、すごくぬかるんでいて。
指が動く度に自分の耳に、いやらしい音が聞こえてくる。
「あっ…はぁ…んっ…やっ…」
町田先輩とのセックスでは想像できないほど…その自慰はとても――
「んっ…んんっ…!!」
あたしはあっけなく、イッてしまった。
はぁはぁ、と吐息は荒く、右手を見るときらきらと体液で光っていて。