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今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT1>
【OL/お姉さん 官能小説】

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今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT1>-3

「樹里ってそういえば…彼氏、作らないよね」

「作らないんじゃなくて、作れないのよ。モテないんだもん。−−あ。マルゲリータとシーフードサラダお願いします」

近くにいる店員にピザとサラダを注文した後、あたしの方を振り向いて溜息をついてみせる。
『モテない』なんて嘘に決まってる。
手の行き届いたツヤツヤで、くるくると巻かれた髪。仕事のできそうなスーツの着こなし。そしてダイヤ柄の黒のストッキング。

あたしなんて、会社と家の往復で、おしゃれなんてそんなにしないなぁ…

「椿こそ、いないわけ? あたし、椿可愛いなぁって思うんだけど」

「へ?!」

そんな間抜けな声を出す。
『いない』…わけではないんだけど。





時刻は、夜11時。
人には言わないけど、あたしにだって付き合ってる人はいたりする。
あたしのマンションの入り口で佇む、煙草を吸う背の高い男の人。

−−彼が町田先輩、だ。

クリーム色の薄手のコートが風になびいている。

大学のサークルの3つ上の先輩で、大学時代につき合っていた。
だけどあたしが1年、先輩が4年ということもあって、先輩の卒業と同時にあたしたちは自然消滅。

なのに、何でこういう関係になったかって?

先輩は大手企業に勤めていて、元々本社に勤めていたんだけどそこから異動になって、今の横浜支社で働くようになって。
そこはあたしがよく営業で行く会社だった、というわけ。
久しぶりに会って、話も弾んで――大人になったあたしたちは――


でも、今となってみれば金曜の夜にこうして、あたしの部屋で会うだけ。
会って、こういうことして…先輩はすぐさま帰っていく。

「いれるよ…」

「んんっ…あぁうっ…!!」

こんなひと時がはじめは嬉しかった。
だけど…今は?
たった何時間か、触れ合って、ほとんど会話をすることもなく先輩は帰っていく。
今では、この時間が早く終わってほしいとさえ思ってしまう自分がどこかにいて、そんな自分も嫌。

口元を手で押さえ、自分の声が出ないようにしていると先輩があたしの手をひっぱる。


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