「demande」<津上翔太朗>-11
「ただいま戻りました…」
館に入ると、惣介と優斗さんの声が飛び交っていた。ギャアギャアと喚く二人に呆然となる。
「よ、翔太朗。お疲れ。何ショボくれた顔してんだよ。あ、惣介の武勇伝聞いてけよ!」
優斗さんはケラケラ笑いながら惣介をからかっていた。
「だっ!!誰が話すかバカヤロウ!!」
顔を真っ赤にしながら惣介が優斗を羽交い絞めにする。
「あだだだッ!!痛えっ!コイツさ、今日の依頼人に殴られたんだってよ!!」
「たっ…ただ殴られたんじゃねーよ!!これはっ男の勲章ってヤツだ!!」
「ハイハイ。どうせ嫌がるプレイでもしたんだろ?」
「んなことするか!!」
「じゃあ『僕を殴ってぇ〜』って趣味があんのか?♪」
「てっ、てめ〜〜〜〜ぇっ!!」
「二人とも黙れ!!」
…要さんのお帰りでこの騒動は鎮火。
惣介と優斗さんはこってり絞られ、一から「執事とは―」を叩き込まれていた。
惣介より5年も先輩の優斗さんは、「なんでオレまで…」とぼやいていた。
ああ――――。
この人たちに守られてるって…こうゆうとき感じる。
こんな夜に一人ぽっちじゃなくて、本当によかった。
孤独だった僕を救ってくれたdemande…。
ねぇ樹里さん、僕これからも執事として頑張るよ。
だから樹里さんも泣かないで…笑っていてね。
樹里さんが「彼」に二度と会えないように、僕も樹里さんを遠くから見守ってる。
そのことを、どうか…忘れないで。
―――――――
demandeは24時間予約可能なサイト――――
寂しさも悲しみも思い出も、私たちが包み込んであげましょう…。
泣きたくなったら、一度執事にご連絡を。
あなたのお役に立てるのであれば、いつでもお傍に参ります。