「ホロっとくるクリスマス・ストーリー」-2
(2)
「次は…鯖を握ってくれ!!」
「あいよ〜」
「やっぱオヤジが握る寿司は最高だよ」
「うちは日本一旨い寿司屋だからなぁ〜」
「しかし、あんたも大変だなぁ〜」
「ああ、ボランティアでサンタになって8年さ…」
クリスマスの時期は、恵まれない子供達の家に
サンタとしてプレゼントを持って行くのが、
ここ8年続いているのだ
プレゼントを配り終わり、我が家に帰る俺
もう午前様だった
娘は既に夢の中
娘はまだサンタを信じる小学二年生。
6歳の頃から、欲しい物を手紙で書かせていた
6歳の時は、『お菓子が欲しい』と書いてあった
7歳の時は、『キティちゃんの人形が欲しい』と書いてあった
そして、今年は…
寝息を立てる娘の枕元に、手紙があった
その手紙を読んで、思わず涙が流れる…
『今年は、パパと一緒にクリスマスを過ごせますように…』
寝ている娘を、俺はギュっと抱きしめた 【完】