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ラブシック
【コメディ 恋愛小説】

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ラブシック-決--1

「ねぇ、これさ、こないだあんたが牛に蹴られた写真だよね?」

「あぁ、そうだな。もとい、俺が食い物に敗北した時な」

「は?何それ」

「何でもねぇよ。これ、お前が風邪引いた時じゃねぇの?鼻水垂れてるし」

「いまだに自分の犯した罪に気付いてないとは」

「は?何それ」

「何でもない。あっ、これ猿山行った時じゃない?あんた頭押さえてるし」

「あ〜そうだ、俺、猿に近付き過ぎて髪の毛ごっそり抜かれたんだった…」

「面白かったね」

「全然面白くねぇよ!あれ、すげぇ痛ぇんだぞ!?髪引っ張られ過ぎて頭ガンガンすんだぞ!?」

「ちょっ…この猿じゃない?ほら隅にギリギリ写ってる!」

「あ!本当だ!!手に髪の毛の束握られてんじゃねぇかよ。しかも、何でカメラ目線?」

「すごい得意気。やってやったオーラが半端じゃないね」

「あんの野郎〜…」

「まぁまぁまぁ。あ、これ」

「これなぁ、懐かしいな。水疱瘡」

「やばい、何か悲しくなってきた」

「うまかったなぁ、トンコツラーメン」

「辞めて!言わないでそれ以上!」

「この写真のお前、顔中白い点々じゃねぇか」

「白い薬だったんだもん、もうやだ次行こう次」

「これは?」

「これ、一番最初の旅行じゃない?」

「あーそっか!近場ってことでさくらんぼ狩り行ったんだ!!」

「あ、これも思い出したくない…」

「お前食い過ぎて吐いてたよな?」

「あんま美味しいから…元取らなきゃと思って…。てか、あんたが面白がってアタシの膨れたお腹押したのがそもそもの原因じゃん。返して、アタシのさくらんぼ」

「いや、手ぇ出されても」

「早くっ!」

「…今度買ってやるから。ハイ、次行こうー」

「プッ、あんた泣き顔」

「出た」

「確か二人できりたんぽ食べてたらさぁ、いきなり後ろからナマハゲ登場したんだよね。あれはビビったぁ」

「嘘つけよ!お前ナマハゲには目もくれず、ただひたすらにきりたんぽ食ってたじゃねぇか!俺の分までペロリだったじゃねぇか」

「そうだっけ」


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