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ラブシック
【コメディ 恋愛小説】

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ラブシック-決--2

「俺泣くほど怖かったのに」

「まぁいいじゃん。ナマハゲと写真撮れたんだし」

「俺の笑顔ひきつってるけどな」

「ね、待って。この窓の向こうに写ってる猿…」

「うおーっ!髪の毛持ってるーっ!!恐ぇよーっ」

「奇跡、いや軌跡?」

「どっちでもいいよ!」

「温泉入りたかったんだね、きっと」

「違うだろ。これは猿の呪縛だろ」


「は?呪縛?馬鹿じゃない?」

「お前そんな冷たい態度は無いだろ」

「黙りな。はい次。あ、海ってことは」

「俺背中大怪我した時だな」

「じゃ次」

「え、もう終わりかよ。触れろよ、少しぐらい。これでも大事なメモリーだろうがよ」

「郷土料理をめちゃくちゃ食べたかったってメモリーしか残ってねぇのよ、アタシには」

「ふざけんなよ、テメェ」

「あんたのせいだかんね!」

「分かったよ、俺が全部悪いよ!」

「分かればいいの、分かれば」

「くっそぅ」

「あれ?このアルバム何?食い倒れ旅行のは全部終わったよね」

「食い倒れ旅行だったなんて初耳だよ。で、どれ」

「これ」

「どれどれ」

「あっ、これ…」

「俺たちが初めて会った日のじゃん」

「そうそう、アタシたちがクリスマスパーティーしてるところにあんた達が乱入して来たんだよ!」

「大体、クリスマスに麻雀やる女子高生ってどうよ」

「懐かしいなぁ…。この時は毎日が全部楽しかったなぁ」

「こん時お前まだ高校生か」

「あんたは既にオヤジだったね。そんなオヤジに一目惚れされたアタシもたまったモンじゃないって」

「うるせぇ」

「もう三年だよ?あっという間だったね」

「だな。もうすぐ四年だしな」

「アタシらさぁ、たった四年の間にこんな変な思い出たっくさん作ってきたんだね。何か変な感じ」


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