プリズム2-8
びゅるる。びゅるる。びゅるるる。
「ああ、琢也!何もしてないのに射精してるよ。凄い、弾けてる。」
琢也がガクガクと体を震わせる。律動が止まらず琢也はエリカにしがみつく。
びゅるるる。びゅるるる。びゅるるる。
「うわわわわわわわ!」
思いの強さを表すように射精が続き止まらない。
びゅるるる。びゅるる。びゅるる。びゅるるるる。びゅるるるる。
反り返りもがく琢也をエリカが支える。
「ぐわあ!か、からだが、こ、こわれる!」
琢也は反り返り、体を激しく硬直させると、がっくりと崩れおちた。
「琢也。話したいことがあるんでしょ?」
頭の芯がエリカへの強烈な思いで痺れていた。その痺れを振り払うように舞への気持
ちを思いめぐらせる。
「そうだね。エリカと話さなければいけない。」
「エリカ。どうして僕を舞のところへ行かせたの?」
「悩んでいるのね?」
「僕はエリカが好きだよ。愛してる。世界中の誰よりもエリカのことが大切だよ・・・・」
「だけど僕は、舞のところへ行かなければならない。」
「琢也ったら、そんなに思いつめて。でも、苦しまなくていいのよ。
舞ちゃんを素直に愛し、エリカも同じように愛せば良いのよ。」
「エリカ。それは僕にはできないよ。」
琢也が苦しそうに呻く。
「ねえ琢也。琢也がいないとエリカも生きて行けないよ。」
琢也の目に涙があふれる。琢也はエリカが好きだった。舞には悪いが、何倍もエリカ
のことを愛していた。そんなエリカに生きて行けないと言われると、
二人を同時に愛そうとしても、エリカに会えば琢也の気持ちはエリカに傾く。そんな
状態で舞と付き合えるはずがなかった。
琢也の涙が頬をこぼれ落ちた。
「エリカ。分からない。僕はどうすればいいの?」
「琢也。エリカを信じて。悪いようにはならない。
どうしても辛ければ、しばらく会わないでいてあげる。
だから、もう少し、舞ちゃんを愛してあげて。
それから一つだけ守って欲しいことがあるの。
舞ちゃんを妊娠させちゃだめ。
妊娠させると舞ちゃんを不幸にするわ。いいわね。」
「エリカ・・・・ 苦しい・・・・ 助けて・・・・ 」
すすり泣く琢也をエリカが母親のように抱きしめる。
「琢也。大丈夫よ。エリカを信じて。愛してるわ。」
琢也はエリカの膝で、子供のように泣きじゃくった。
翌日連絡を取ると舞は実家の都合で帰省していた。1ヶ月ほど東京に戻れないと言う。
琢也はホッとしたのか熱を出してしまった。39度を越える熱が数日間続き、子供の
ように悪夢に魘され続けた。一週間ほどで熱が引くと舞のことも落ち着いて考えられ
るようになっていた。
舞が戻るまで、毎日のようにエリカに会いに通った。エリカを抱きしめ、口付けを交
わし、そしてエリカのイマラチオに打ち震えた。
琢也は美しいエリカも、可憐な舞も自分には吊りあわないと考えるようになっていた。
魅力的な二人は、何れは年上の男性を見つけて自分の元から去っていくはずだ。エリ
カの考えは分からないが、別れの日が来るまで精一杯二人を愛していこうと考えていた。