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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?6〜危機感認識の避妊知識・その1〜-7

「……ふん」

玲が鼻を鳴らした。
「いいだろう。だが、もう少し好条件を用意したい所だ」
「わかりました。更に検討を重ねさせます」
粗方目を通した書類をデスクに放り投げ、腕を組みつつ頬杖をつく。
「ああ。午後の会議に間に合うようにしろ、とだけ伝えてくれ」
そして椅子をくるりと回し、秘書に背を向けた。

――その動作が意味するのは、話の終了。
次の話をするなり退室するなり好きにしろ、という事だ。

「わかりました。では、その通りにつたえておきます。失礼しました」
それを理解している秘書は、きびすを返し社長室を後にする。
だが静かに開けられ、そして静かに閉まる扉に玲が気を配ることはない。彼女は眉間に皺を寄せ、ガラス越しに見えるビル群を睨みつけていた。


それから、数時間後。
勤務時間前とはいえ、職場で眠りこけてしまった誠司はというと。

「健介。ここはどこだ?」
「会社に決まってんだろ」
「なら、お前はその会社のパソコンで何を見ている?」
「見りゃわかんだろ」
「……」

健介の背後に立ち、ため息をついていた。
その原因は、健介が見ているパソコンの画面。上の方には大きく「避妊」の文字があり、続くように小さく長い文章がびっしりと書いてある。更に、その隣には見た事のない物の画像。やけに画質がいいが、それは置いておく。
「最近気になってな。でかい仕事の後で割と暇だし、手伝う所もねえから、調べてみるかなぁって」
健介が呟いたのは、どうやらサイトを閲覧している理由らしい。頬杖をつき、ややはっきりしない口調で呟く様子からは、彼が気乗りしていない事が明らかに見て取れる。
「で、何か用か?新しい仕事なら飛びついてやるが」
「……はぁ」
その態度に、誠司は再び溜め息。
「ここでそんな事調べるなよ。見られたら性格疑われるぞ?」
声を潜めた誠司が彼の近くで囁く。彼なりの配慮らしい。
しかし健介はどこ吹く風。振り向かず、マウスをカチカチと鳴らし続ける。
「仕方ねえだろ。家のやつは修理中だし、ネカフェは結構金がかかる。それに一課の連中はこの程度じゃ人格疑わないだろ」
その言葉に、誠司は営業一課一同の顔を頭の中でずらりと並べてみた。

――確かに、疑いそうもないかな。
なんて事を思ってしまった。
「……はあ」
再び溜め息。すると、急に健介が振り向いた。
「ため息の感じからして、同意見ってわけだな?」
「残念ながら違う、と言いたい所だけどね」
彼のにやにやした表情を前に、誠司は降参の意志を示した。その様子に健介は、パソコンと睨み合っていた先程とは打って変わって楽しそうな顔でパソコンに目を戻す。
「ま、ここに来るのは一課の連中だけじゃねえって事くらいは自覚してるって。その時は気をつけるから、さ」
そしてひらひらと手を振る。その意味はわからないが、少なくとも話は終わりと言っていいだろう。
だが誠司としては、念のため一言は言っておきたい。だから彼の肩に手を置き、眉をひそめた。
「一応信じる。でも本当に気をつけろよ?」
とりあえず釘だけは刺し、自分の席に戻ろうとする。

――と。


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