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蒼い殺意
【純文学 その他小説】

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蒼い殺意-6

そう!あの傲慢な事務員に、軽蔑しているストリップをさせてやる。道路上でだ。尊敬する社長を侮辱した報いだ。どんな顔をするかな?次は、皮肉ばかり言うあの主任を棒きれで打ちのめしてやる。俺の仕事に、文句の多い二人だ。

そして、クラスメートの一人。自分の3サイズを自慢する女。俺のことを、『弱虫』だとか、『チェリーボーイ』だとか、『遅刻魔』だ等と、いつも侮辱する。・・・どうしてやろう。誰も居ない部屋で裸にするか?そして悪戯するか?いや待て!『フンッ!』と、そっぽを向いた方がより効果的か?・・・いや、あいつのことだ、『意気地無し』と、反撃するか?」

物理的に不可能なことに胸を躍らせる彼だった。非人道的手段を頭に浮かべる彼だった。まるで、同年代の若者との壁を自ら作り、ともすれば押し流されやすい彼自身を叱咤するが如くに。

 ♪あなたにそっと 口づけがしたい
  あなたの知らぬ間に 青空の下で♪

彼の心情を端的に現した詩である。が、彼自身はそんな自分に嫌悪感を抱いてはいるが。
彼の嫌いなものの一つに、夜の川がある。人々が休息をとるその時でさえ、流れることを止めぬ川が腹立たしいという。追い立てられるが如くに流れ続ける川が、嫌いだと言う。そう、彼自身が現状にほぼ満足しつつも、何故か常に追い立てられているのだ。 


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