「彼女の艶母」-6
ピンポーン―――
呼び鈴を押し、緊張しながらお母さんの登場を待つ。
小さく、何度も溜息をついた。
ふう……んっ?
なかなかお母さんが出てこない。
ピンポーン
僕はもう一度呼び鈴を押してみた。
今度は大きく溜息をつき、眼をパチパチさせてはギュウッと瞼に力を入れて緊張をほぐす。
えっと……出てこないなぁ?
再度呼び鈴を鳴らしたが、お母さんが出てくる気配はなかった。
どうしようかな……そのまま帰ろうとも思ったが、何か気になる。
僕が来ることは千夏から知らされているはずだし……僕は、あたりをキョロキョロ見回しながら、こっそりと裏庭のほうへまわってみた。
(誰もいないなぁ……)
裏庭からリビングのほうを見ると、カーテンは全開になっているものの誰もいる気配がない。
(おかしいなぁ……買い物にでも行ってるのかなぁ……)
僕が、仕方なく近くの公園で待とうと踵を返したとき、何やらガタガタッと家の奥のほうから小さな物音が聞こえてきた。
(んっ? なんだ、いまの音……?)
なんだか気になり、僕は裏庭を通りすぎて先のほうまで歩を進めていった。
(確かこっちのほうから聞こえたような……)
忍び足で進んでいる僕の耳に、椅子かテーブルを動かしたような音が再び聞こえてきた。
しかも、今度は小さな悲鳴みたいなものまで混ざっていた。
お、お母さんの身に何か起きている!?
ただごとじゃないと察し、僕は急いで音の聞こえたほうへと向かった。
向かった先の壁に小さな窓があり、そこから躊躇なく中を覗いてみる。
(ああっ!? な、な、なんだ!?)
目の前の光景に、僕の頭が真っ白になった。
眼をひん剥き、口をあんぐりと開けたまま、僕の身体は鋼鉄のように固まった。
「んっ、んんっ、イヤッ……んぐっ」
「おい、歯を立てんじゃねーぞ。いいか、俺を満足させたら殺さないでおいてやる。だが、少しでも抵抗したりすれば容赦なくぶっ殺すからな。わかったか? わかったらしっかりと咥えろ!」
黒いマスクを被った男がお母さんを跪かせ、髪を乱暴に掴んで揺すっている。
カーキー色のだぼだぼしたズボンからは、猛々しく勃起したペ○スがずいっと突き出ており、その半分までがお母さんの口に抜かっていた。
(ご、強盗……あ、ああ……ど、どうしよう……)
膝がガクガクと震えた。
隠れなきゃと思いながらも、硬直しきった身体が言うことを聞かない。
「ああ、まさかこんなベッピンさんがいたとはな〜、俺もついてるぜ」
男がナイフをちらつかせながら、マスクから覗いている眼をお母さんに向けている。
その眼の先では、毒々しいペ○スに唇を深く被せながら、頭をガクン、ガクン、揺さ振られているお母さんの姿があった。