ガリガル3!!-4
「ひ…た、ひな…た」
誰よ、あたしの休養妨げるのは。邪魔しないでよ。この睡眠で今日元気でいられるかどうか決まるんだから…。
「日向っ!」
ビクッとしてあたしは目が覚めた。
あ、先生…。
「すみません…」
ここは素直に謝るに限る。
海が向こう側を向いてくっくっくっと笑いを堪えていた。肩が小刻みに揺れている。
「次寝たらお前、成績1にしてやるからな」
先生はパシンと軽く頭を小突くとまた授業を再開した。
「やっちまったな」
海が小声で話し掛ける。
「何で起こしてくんないの!?すっごい恥ずかしかったじゃん」
あたしも小声で海を責め立てた。
「だって、面白いと思っ」
そこまで言って海はプーッと吹き出して肩を小刻みに震わせた。
「笑うな!」
あたしはシャーペンでその震えている肩を叩いた。
「ククッ…。分かった、忘れてやる。でも、すぐには無理だわ」
「いや、忘れて下さい」
「今の俺ン中のかのんは先生に小突かれたダッサイかのん。コレを他のかのんで上書きしなきゃなぁ」
は?
「上書き保存的な?」
「そ!だから今日の放課後、俺に付き合え」
「えっ!?」
あたしは思ってもみなかった海の言葉に目を丸くした。
だって、それって所謂デートってヤツだよね?
「そんな嫌そうな顔すんなよ。いいのか?俺、これからかのん見る度吹き出して、顔面にツバかけまくんぞ」
「そそそそれはイヤ!」
ツバはイヤだけど、願ってもなかったこの展開はイイ…!
「じゃあ、放課後な」
「うん」
あたしは大きく頷くのが精一杯だった。
「付き合うってばこれな訳?」
「これな訳」
あたしは海の背中を押した。すると海は少し前に動きまた、振り子のようにあたしの手に戻ってくる。その背中を今度は少し強めに押した。