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ガリガル!!
【コメディ 恋愛小説】

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ガリガル3!!-5

「…ブランコ」

「昨日さぁ、この公園の前通ったらチビッコ達やってたんだよな。何か無性にやりたくなって…もっと、強く押せよ」

「さっきから海ばっかじゃん!重いし疲れたし、次あたしの番っ」

だって、海を押しているうちあたしも段々乗りたくなってきたんだもん。

「仕方ねぇなぁ。ホレ、交換」

海が立ち上がったので、あたしは空いたそこに座った。
うわぁ、懐かしい〜!視線ってこんな低いんだっけ。
あたしが懐かしさに浸っているとあたしの膝にパサッと何かが被さった。

「被せとけ、結構さみぃぞ」

海の学ラン、少し香水の香りがする…。
あったかい…。

「ありがとうっ!」

あたしは振り返った。
すると海はあたしから目を逸らして小さく

「ぉぅ」

と言っただけだった。
あれ?これってもしかして…。
耳も真っ赤。
これって照れてる!?

「オラ、前向けや!押すぞ!」

「ぅわぁ!」

いきなり海が背中を押すもんだからあたしはもう少しでブランコから落ちそうになった。

「お前軽ぃな」

ボソッと海が呟く。

「ンなことないよ」

海は無言であたしの背中を押す。
何か…あたしたちイイ感じじゃない?
口元が自然と弛む。

「あのさ」

沈黙を破ったのは海だった。

「ガリガルって知ってる?」

ガリガル?

「知らない、何それ?」

「弟が言ってたんだけどさ、女の子の中の女の子って意味らしい」

「Girl In Girl、ガーリンガール、ガリガル…」

「そういうことだとよ」

なるほど。女の子の中の女の子、ねぇ…。

「女の子の中の女の子って何だろうな」

それを言い出した子が何を思ってガリガルって言ったのか分からない。だけどあたしの中のガリガルは

「可愛くなるために努力してる子かなぁ」

「ふーん、見た目がそんな大事かよ」

見た目が大事とかそんなんじゃない。そんな小さいもんじゃない!


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