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ずっと二人で
【OL/お姉さん 官能小説】

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ずっと二人で-2

「そんなに顔……赤い?」
鏡をみながら考える。

確かに、茂木のことは嫌いでもない。
かといって特に恋愛感情も浮かんでこない。
春になって、色恋の季節なのかもしれないけれど……。
まだ当分は仕事が恋人でいいかも。
そろそろ用意しよう、しっかりしろ!私!

「でもそんなだから、高嶺の花とか言われんのかなー。」
レジュメを会議室のテーブルに置きながら、ため息まじりに言う。
「お前だって、普通だよ。」
いつからいたのか。部長が扉を開けてそこには立っていた。
「いえっ…あのっ!すみません!全然っ!気になさらないで下さい…!!」
穴があったら入りたいとは、まさにこのことだ。
「友紀から色々聞いてるよ。お前はお前、本当にお前のこと考えてるやつだっているよ。」
甘いマスクで最高の笑顔。そりゃマドンナでもおちるわけだ。
「……ありがとうございます。」

「部長!今日はよろしくお願いいたします!」
間伐入れずに茂木率いるチームが入ってきた。今の……聞いてたかな?
いや、相手は茂木だ!気にするな自分!

「こちらお茶になります。」
重役達は物腰が柔らかい友紀の態度に惚れ惚れしながら、デレッとした顔で見ている。
マドンナはお茶一つでここまで違うか。今度真似してみよっかな。
考えている間に、茂木達はせっせと発表の準備に取り掛かる。


−−「なかなか良い、プレゼンだった。」
そう言いながら、重役達は会議室から出て行く。
それからはいつも通り。淡々と仕事をこなして、残業のためなにかつまむものでも……と思い、下の階のコンビニに向かう。

「香織ちゃん!今夜、食事どう?」
明太子味のおにぎりか、高菜のおにぎりか悩んでいると急に後ろから声がして、驚いて振り返る。
「なんだ、茂木か。」
「なんだとはなんだよ!ね、それより…食事!行くでしょ?」
「今日、残業だから。悪いわね。」
「そっか…、ならしゃあないか。」
さも残念そうに肩を落としながら茂木はエレベーターに向かった。

まっ、今日は一人でゆっくりしますか。
夜やる仕事の半分は昼に終わらせたしね。



−−18時を告げる音。
残業も基本は自由制なので、遅くても7時には駅に迎える。
今日は飲みにでも行くかな、なんて考えていると友紀が耳元で囁いた。
「後はよろしく。仕事、残りはグラフ化するだけだから。今度またランチ奢るわ。」
「はいはい、お熱い夜を。」
パソコンの画面と睨めっこしながら、小さく返事をした。

「だめだ。コーヒー飲も。」
気付けば23時を回っていた。
友紀のグラフはすぐに終わったのだが、自分の仕事が終わらない。
関連のものを調べ出したら止まらないたちなのだ。


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