好奇心よりもっと…-8
***
「…今日は、忘れないようにしなきゃね」
そう言って、笠井は本を鞄にしまう。
「ずっと忘れてれば、毎日ここに来られるのになぁ」
俺がつぶやくと笠井の顔が真っ赤になった。
「な、何言ってんの!爽やか好青年の齋藤がっ」
「笠井だってずっと赤くなりっぱなしじゃん」
ここに来られるって言っただけなのに…可愛いなあ。
「だっ…て、齋藤といるとなんか…だめになっちゃうんだもん」
「俺も、笠井といると、やらしくなっちゃうみたい」
そう言っておでこに軽くキスをした。
笠井が嬉しそうに笑う。
「ねぇ、今度私の部屋にしよう?齋藤にしてあげたいこととか、してほしいこと、たくさんあるの」
今度は俺が赤くなる番だった。
本当に笠井は恥ずかしがるポイントがずれてる。
こんなことをあっさり言ってしまえる純粋さがある意味、羨ましい。
「俺の気も知らないで…」
「え?」
「…何でもないよ」
あぁ、やっぱり…
…彼女には敵わない。
☆END☆