投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

1・2・3
【初恋 恋愛小説】

1・2・3の最初へ 1・2・3 3 1・2・3 5 1・2・3の最後へ

1・2・3-4

「あーー恥ずかしい!!俺さ、いままで恥ずかしくて誰にも言ってないんだ、時田のこと…」
市川君、すぐ横にあったベンチに腰をおろした。
「いつから好きだったの?」
「中2の時…同じクラスになって…別に何がきっかけって訳じゃないけど、いつの間にか…」
市川君の顔、サヤカちゃんの話をするときって、優しい顔になる。
「告白しないの?」
きっと上手くいくよ!!
って言いたいけど、言えない。
「それだよ…」
「え?」
「なかなか勇気出なくて、だから、これからたまにみんなで遊びに行ったりしたいなって思って…」
「みんな…?」
「あいつだけ誘うのって、えっと、恥ずかしくて無理だから…この前みたいにさ…」
この前…きっと、合コンの事を言ってる。
…うっ…苦手なんだけど…ううん!!サヤカちゃんが幸せになるのなら!!
「うん!!協力する!!」
「本当!?マジ!?よかった。小西さんああいう場所苦手だから断られると思った。」
ばれてる…
それから、公園を散歩しながらサヤカちゃんの事色々話した。男の子と恋愛の話するなんて初めてだったけど、切なくなったり、ドキドキしたり、私と同じだな〜って思った。
お腹がすいたので帰ろうってなったのは、もう一時を過ぎてた。
「今日、本当、ありがとう」
南口を出たところで市川君、立ち止まって深々と頭を下げた。
「ううん、聴くことしかできなくて、ごめんなさい」
私も深々と頭を下げた。そして、ゆっくり頭を上げたとき、桜並木にいる翔ちゃんの姿が目に飛び込んできた。
隣には…翔ちゃんの腕にもたれ掛かってる涼子ちゃんの姿があった…
私、身動きがとれなくて…息苦しくて…頭が真っ白なって…その時…
翔ちゃんと、目が…合った?…様な気がした…
「じゃあ、本当にありがと、また連絡するから」
「!!…うん、気をつけてね」
私の顔、きっとひきつってる…
駐車場に消えていく市川君を見送った後、もう一度桜並木に目を戻した。
そこにはもう翔ちゃんの姿はなかったけど、さっき見た光景が頭から離れない。
二人がつき合ってるのは、分かってた事じゃない…デートしてるところを見たからって…
必死に自分に言い聞かせる。
‘どうでもいいけど’ふいに、昨日の翔ちゃんの言葉が頭に浮かんだ。
そうだった、私は、もう、ふられてる…
私、頭のどこかで思ってたのかもしれない、あんな噂は嘘だって…
私、溢れてくる涙をどうしても止めることが出来なかった…


1・2・3の最初へ 1・2・3 3 1・2・3 5 1・2・3の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前