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1・2・3
【初恋 恋愛小説】

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1・2・3-12



三日後、熱は下がったもののベッドから起き上がる気力が無く学校を休んでしまった。
その日も朝から雨で、夕方になっても雨は降り続いてた。
ピンポーン…
私、玄関へ向かった。
三日間寝ていたせいか頭がくらくらする。
「リコちゃん大丈夫??」
玄関に立っていたのはサヤカちゃんと…市川君だった。
「もう!!携帯つながんないし、家の電話も留守電だし、心配したんだからねーー」
サヤカちゃん…
携帯はあの日から電源を切ったまんまで、家の電話は私が眠れるようにとお母さんが音を小さくしていたので、二階まで聞こえてこなかったのだ。
「ありがとう、もう熱も下がったから…とりあえず上がって」
私、二人を招き入れる。
サヤカちゃん、私をベッドに押し込むと飲物を用意すると言って一階に降りていった。途中でショウガ湯を買ってきたらしい。
サヤカちゃん…
私、うれしくて胸の奥が熱くなった。
「時田から電話もらってびっくりした。やっぱり土曜日の雨のせいだよな」
市川君、サヤカちゃんの気配がなくなったのを確認するとベッドの横に座り込んで言った。
「お騒がせしました」
私、体を起こし市川君に頭をさげた。
「携帯、電源切ってるの?俺も心配だったからメール送ったんだ」
「え?ごめん」
携帯…見たくない
私、目を伏せた。
「いや、いいんだけど、…大丈夫?」
市川君、探るように言った。
市川君の‘大丈夫?’と言う言葉は体のことではなく、翔ちゃんのことだろう…
「あきらめることにした…」
「……そか…」
「色々ありがとう」
「いや、いつでも言って、話聞くぐらいしか出来ないけど…あっでも、土曜日みたいに雨の日はちゃんと傘さしといてね」
市川君、しかめっ面だけど優しい声で言う。
「はい…」
私、笑顔になった。
「開けてー」
ドアの向こうからサヤカちゃんの声が聞こえてきた。
サヤカちゃんのショウガ湯を飲んで元気がでた私、明日は学校へ行くと約束し二人を見送った。
その時、私うれしくて気づかなかった…サヤカちゃんの変化に……


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