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桜が咲く頃
【ファンタジー 恋愛小説】

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桜が咲く頃〜心〜-4

(俺、何しにここに来たんだ?なんで、こんな格好して…俺が来なくても良かったんじゃないか!?
そうだ!アイツが好きなやつと来たら良かったんだ!!)
鈴は段々ムカムカしてきて

(そうすれば、俺はこんな格好…)
ふと気付いた。
(アイツの好きなやつって誰なんだろう?)

何でか胸がちくちくする。

(別に誰だっていいじゃないか。俺には関係ない)

そう思えば思うほど胸が苦しくなる…

矮助が小春と楽しく祭りを見てまわっているのを少しでも考えるだけで、涙が出そうになる…

(何で涙が…?
いつからこんなに泣き虫になったのだろう?
もう泣かないと決めたのに…)

鈴は苦しさのあまり、その場にしゃがみこむ。

すると
『大変です!』
一人の青年が走り寄って来た。

青年は息を切らしながら告げる。
『あなたの連れが――』


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