普通の女の子-1
なんとなく、自分の胸を揉んでみる。
もう一年も忘れていた久しぶりの感覚に、思わず鳥肌が立ちそうになった。さっき部屋で一人観ていた恋愛映画のラブシーンを思い出す。
さっきよりも少し大胆に手を動かしてみる。胸の先端にやや痺れを感じ、息をのむ。
「…んっ…」
今まで自分で自分を慰めた事は一度もなかった。
(たまには…いいよね…?)
意識の中で自分に了解を得ると、軽く目を閉じ両手で胸を揉みしだいていった。
「…んっ、んっ…」
着ているタンクトップとピンクのブラがもどかしい…。そう思った彼女は立ち上がり、なぜか部屋の鍵をかけた。彼女は一人暮らしで他に人がいるはずはないのに。
それからタンクトップを脱ぎ去り、続いて後ろ手でブラのホックをはずした。形の良いCカップの胸が窮屈な布地から解放される。
頬をうっすらと赤くした彼女はベッドに腰掛け、今度はじかに自分の胸に触れる。
「…んんぅ…んぁ…」
徐々に呼吸が乱れてくる。彼女の指が優しく胸の形を変えていく。その優しい指は徐々に山の頂へ上り詰めようとしていた。
その頂はいつもの柔らかなものではなく、誰がみてもわかる程、固く尖って、未知なる刺激を待ちわびているようだった。
当然その様子は彼女の目にも入ってくる。
「…んっ、ゃぁ…あたし、こんなに…?」
まだ軽く胸を揉んだだけなのに、そこはかつてない程のシコリを形成していた。彼女は恥ずかしくなり、さらに顔を赤らめた。
(こんなに立っちゃってるの、初めてかも…。あたし、そんなに欲求不満だったのかな?まぁ去年ヤツ(彼)と別れてから今まで、ずっとご無沙汰だったからなぁ…)
ふとそんな事を考えつつ、何気なくその先端を人差し指と親指で摘んだ、その刹那―
「―!?―…っきゃっ!?…ひゃあぁぁ…っ!」
ビクンッ!…と体が一瞬硬直した。
触れた所から頭のてっぺんへ、電流のような痺れが一気に突き抜け、彼女は思わず首を仰け反らせた。
「…っはぁっ…はぁっ…」
彼女は呼吸を乱し、体をこわばらせた。
(な、何?今の…?前はこんなに敏感じゃなかったのに…)
彼との時でも胸の愛撫でここまで感じた事はなかった。
胸の先端は、まだ軽くピリピリとした痺れを残している。
恐る恐るまた手を近づける。さっきはいきなりだったので、今度は周りの輪に沿って円を描くように指を動かしてみた。
「…んあっ!くぅぅ…!」
その動きが功を奏したのか、痺れと共にはっきりとした快感が押し寄せるのがわかった。
再び2本の指で頂を摘む。今度はまるで豆腐でも持ち上げるかのような慎重さで…。
「…ゃっ!…んんっ…んぁぁっ!…ふぁぁ…ぁはぁぁ…!」
コリコリとした感触が指先に伝わってくる。
「…あっ!…くぅっ…ぁはあぁん…」
しばらく弱々しい手つきで弄んでいたが、だんだんと物足りなさを感じるようになった。