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異世界の放浪者
【ファンタジー 恋愛小説】

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異世界の放浪者 最終話-2

「すごい熱でしたよ?魔法で少しは楽になったと思いますけど…」
ポポの言うように体のだるさが微妙にだが抜けていた。
「すまんな…迷惑かけた」
「いえいえ迷惑だなんて言わないでください」
いつもは何かを企んでそうな、それでいて生き生きしてたポポの顔は今日に限って優しそうな顔をしていた。
そう思いつつ体を起こそうとした。
それを見たポポは慌てて俺をベットに押さえ付けた。
「寝ててください!また倒れられたら困ります!」
そう言って俺を無理矢理寝かし付けようとした。
「もう治った」
「嘘は私にはつたわりません」
しばしの沈黙…。
「もうすこ…」
「次私の逆鱗に触れる事言ったら舐めますよ?」
説得しようとしたら言葉を遮られ脅しをかけられた。少々怖い顔をしている。とゆうか舐められたら熱を移してしまう。
「全力で休ませて貰います」
「はい!それでOK」
そう言った途端いつもの顔に戻る。だがなにか一生懸命つくったような顔だった。
「それにしても無理し過ぎですよ。倒れそうなら無理して食べるとか言わなくても…」
少々あきれ顔で言うポポ。
「あれから眠れなくてな…あんま寝てないんだ」
そう言って昨晩の事を振る。
「あー…すみません…あんな事しちゃって…」
「いや構わない…」
そう言葉を交わしたあとまた沈黙が流れた。先程みたいなものとは違って重苦しいものだった。
「ポポ…ちょっと来い」
「えっ?」
その沈黙を破りポポを手招きする。ポポは首を傾げつつも俺の寝ている近くに腰を下ろした。
「そいや!」
「ちょっ!のぼ…ぼふっ!」ポポの腕を引き、俺の上にポポが覆いかぶさるようにした。俺の顔の横にポポの顔がちょうど来るように。そして抱き締めるようにして頭を撫でた。
「のぼ…る?」
不思議そうな面持ちで、意識してなのかわからないが俺を呼び捨てにするポポ。
そんなポポに俺は耳元で言った。
「お前も無理し過ぎるな」
「えっ?」
「無理するな!…ただそんだけだよ」
そう言って沈黙はしばらく流れた。そしてその沈黙を破ったのは…
「はい…」
小さく返事をしたポポだった。





夢を見た。
ほのかに温かい雰囲気の夢。なんなのかわからない夢。目のかすれは段々とはっきりした…見覚えのあるものが見えて来た。
「…登」
「母さん?」
そう言うと俺のいままで忘れなかった満面の笑みを作る。
「覚えてて嬉しいわ」
忘れやしない。その顔。その声。昔と全然変わらなかった。
「…」
今更夢の中で会えても何を話していいのかわからない。
「ねぇ登?ポポさんの事好き?」
「久し振りに会う息子にそんな事聞くのか?」
少々あきれ顔をする俺。そんな俺を無視して母さんは話を進めていく。
「あの子は良い子ね。純粋で真っ直ぐで…あんなに登に尽くそうと頑張って」
「何が言いたいんだ?」
「…あの世界に残りなさい」
突如言われた言葉にどう反応していいのか困る俺。
「あなたはあの子をどう思ってるのかしら?」
「それとこれと…」
「関係あるわよ、すごく」
言葉を遮られる俺。
「もう一度聞くけどどう思ってるのかしら?」
そして再度問い質される。
頭をかきむしりながら目線を落とし答える。


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