万華(その1)-5
男はある都市銀行の常務だった。六十歳を過ぎた男の頭髪はすでに品のいい白髪に覆われてい
た。ただ小麦色に日焼けした厚い胸とよく鍛えられたような男の肉体が年齢を感じさせなかった。
端正な顔立ちはいかにもエリート銀行員といった上品な雰囲気を持っていた。
私は画廊を開くときにこの男の銀行から資金を融資してもらったのだが、男が求めてきたこと
は、私に頬をぶたれ、脚でペ○ス踏みつけてもらうことだった。その小さな肉棒を踏みにじられ、
激しくいたぶられることでしかその男は肉根を屹立させることはできなかった。
「ほら、もっとしっかり舐めるのよ…」
私は男を嘲るように言葉を吐き、爪先の親指をぐりぐりと男の唇に強く挿入する。男は苦しげ
に言われるがままに、私の小さめの足指を口に含み唾液にまみれた指全体を舌で丁寧に舐めるの
だった。すでに男の肉幹は脈打つようにそそり立ち、亀頭の粘膜はすでに透明の液でぐっしょり
と濡れていた。
そして私の溢れ出る愛液が股間の陰毛をしっとりと濡らし、排尿の欲求にかきたてられるよう
に私の膀胱に溜まった尿液がしだいに疼き始めていた。
あの頃…決して満たされなかった夫との短い結婚生活…
元フットボールの選手だった夫の厚い筋肉質の胸にどれだけ熱く抱かれても私の体は醒めてい
たのだ。がっしりしたその体つきとは違って、夫のペ○スはこの銀髪の男のように小さく短かっ
た。硬く熱しきれないその肉棒は、いつもどこかに柔らかさを残したまま私の中に挿入された。
そして冷え切った膣襞が潤うこともなく夫のものを咥えながら、私自身さえ自己嫌悪に陥って
いた。夫を激しく求める心とは反対に、私の体はすでにあのときから決して登りつめることがで
きない体になってしまっていた。
そしてあの一枚の写真が、あの男の亡霊に再び私を引きずり込むことになったのだった…
「いいわ…そろそろ、出してあげるわ…」