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万華
【SM 官能小説】

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万華(その1)-4

この男の妻を私は一度だけ見たことがあった。派手な和服を着た顎の肉が弛んだ太った高慢そ
うな女は、この男と腕を組み、ぴったりと体を寄せるようにして私の画廊を訪れた。
 子供を孕んだようなでっぷりとした下腹と垂れた醜い臀肉を持った厚化粧の女は、この端正な
容姿をした男には似合わないのだ。
 私はこの男のペ○スがあの女の爛れた膣肉の中で樹液を垂らしていることに、ずっと吐き気の
するような嫌悪感さえ感じていた。もしかしたらこの男の顔は妻の弛んだ両腿で跨られながらも
あの女の陰毛によだれを垂らし、女の股間の恥部から臭う秘臭だけで勃起するのかもしれない。
 私の爪先がそのぬめった男の包皮を引っ掻くように撫でながらも、ときに喘ぐようにひくつい
た肉棒を男の腹部に強く踏みにじる。
「ううっ…、あっ…」
 男は快感とも苦痛ともとれる悲鳴をあげた。
 邪気にとりつかれたような私の股間の体液が男の頬に飛び散る。足裏で床に伏した男の股間を
踏みにじりながらも、私は肉襞が愛液でしだいに濡れてくるのがはっきりわかった。

 夫との短い結婚生活を終えてから、気がついたらすでに私は三十七歳になっていた。
 商社マンだった夫は私と結婚した二年後に交通事故で死んだ。その後私はこの都会で街を這い
ずりまわるように働き、ときに体を売り今の画廊を持つことができた。
 夫とのすれ違いの生活…乾ききったセックス…それでも私は夫を愛していたのだ。
 そして夫がいなくなった私の満たされない体液を嗅ぎ分けるように寄ってきた男たち…それは
被虐の快感でしか性欲を満たされない男たちだった。
 私の足の裏の臭いを嗅ぎ、ふくらはぎに頬ずりをする…そして股間の陰毛を舌に絡める。
 それは男たちの身勝手な自慰そのものだった。もしかしたら私自身がそういう臭いを漂わせ、
それを悦楽とすることしかできない体になっていたのかもしれない。
 男たちの肉棒を蹴り、黒光りのするハイヒールでそれを踏みつけると、男たちは欲情にまみれ
たようにむくむくとペ○スを勃起させる。私のストッキングに包まれた足首に接吻し、私の太腿
をなでさすり、濃艶な秘丘を舌で優しく愛撫してくれる。
 嗜虐心の昂ぶるままに、高々と突き出した男たちの尻肌に血が滲むくらいに鞭を振り降ろす。
 男たちの悦楽の悲鳴が私に心地よい疼きをもたらすのだった。そして私の放出する糞尿に悦ん
で口を開く。男の肉体に抱かれたいと思う以上に、その男の肉体を嬲ることで男たちが発情した
ようにペ○スを勃起させ、私を求めてくることが私の性の快感になっていた。
 そんな性欲に溺れるようになったのはいつ頃からたろうか…

 白髪が乱れた丸顔の男の口元が引きつるようにこわばっていた。そして私は足の指先で男の厚
ぼったい紫色の唇を淫靡になぞりながら言った。
「ほら、私の足の指を舐めてごらんなさい…」 
「まだ…まだ、出ないのか…」
 男は苦しげ頬を歪めながら言葉を洩らした。
「何よ、その言い方は!…」
 私はぐりぐりとその男の鼻と唇を足の裏で強く踏みにじる。
「ううっ…うっ…」 
「お願いです、あなたの大切なおしっこを飲ませてくださいって……言うのよ!」
 男は頬を私の足裏でいたぶられながらも、哀願するように小さく呟いた。
「そうね… 私って足の指先に感じないとおしっこがでないのよ…」
 私は目を細め、まるで子供にいじわるするように甘い言葉を吐きながら男の唇の間に足の親指
をねじ込むのだった。男は充血した目を情痴に潤ませたように私の足先に唇を寄せ、足の裏から
爪先まで舌を這わせていった。そして赤く毒々しいマニキュアを塗った足指を口に含みピチャピ
チャとしゃぶるのだった。
 まるで女の乳首を咥えるように男の唾液に濡れた朱色の尖った舌先が、私の足指の間をねっと
りと舐めていく。私は痒みを掻かれるようなその快感に少しずつ尿意を感じ始めていた。
 男は瞳を虚ろに潤ませ、その足の親指をぬるぬると唇に含んだ。その銀髪を大理石の床に乱し
たエリート銀行員はまるで鼻息の荒い豚そのものだった。


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