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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.8-3

『繰り返します。大河内先生、大河内先生。お客様がお見えです。至急…』

ドンッ、ドンッと大河内の胸元を叩くと、ようやく大河内が唇を放した。
逃げるように唇を離して手の甲で唇を擦る。
「はぁ、っはぁ…」
肩で息をする愛美。一方の大河内は余裕の表情だった。ぺろりと唇に滴るどちらのとも解らない唾液を舐める。
「まずはキスから。ちゃんとレポート用紙に書いておけよ」
大河内はニヤッと笑って化学準備室を出て行った。残された愛美は、唇を噛んで床にへなへなと座り込む。

「有り得ない」

声はか細く、夕闇とともに消えていった。





「藤塚さん、この問題のやり方教えて」
「この参考書の例題と同じだから、これ見て」
「あ、僕も!数Aなんだけど」
「数Aのどこ?期末範囲全部なんて言われても無理よ!解んないとこだけピックアップしてもって来て。教えてあげるから」
「委員長、この意味わかんねーよ」
「それは直訳せずに前から訳すの。persevereはやり抜く、でしょ」
口々に言われ、テキパキと答えていく。

暑い。
窓から流れる風だけが頼りの教室で、理系の男子生徒に囲まれても愛美は委員長を務める。投げ掛けられる質問を次々と返し、自分も今日出された課題に取り組んでいる。
いつもは部活動や生徒会に走り回っている愛美が、と周囲は珍しがり、大人しく席に着いているのを良い事にこうして集まってくる。
だが、どれもこれも男ばかり。理系ばかりだからかも知れないが、優等生の愛美は近寄りづらい印象がある。授業を共にする理系同士なら彼女が照れ隠しで強がってるのを解るのだが、なかなか文系のそれも女子には伝わりづらく、妙な誤解も生まれていたりする。それが更に愛美を頑なにさせ、周りに男ばかりが集まる状態にさせているのだ。
「撒かぬ種は生えぬって英文になんかなんねーよ」
「出来るって。例題よく読んで。先に答え言っちゃうとYou must sow before you can reap.副詞節をよく考えれば出来るから」
「藤塚さん、解の公式通りって答え違うじゃん?」
「これは、xの係数が2の倍数の場合 b=2b'とする、ってあるでしょ?」
全然自分の課題が進まない。そう思いながらも面倒見良く接してしまう。あの勉強なんて意地でもしたくない今井や太刀川も頼ってきているのだ。無下には出来ない。
「わっかんねーよ。藤塚、ちょこっと勉強していい点取れるとこ教えろよ」
バンッと教科書を投げ出して机に突っ伏す。口にくわえた某付きキャンディーをぷらぷらさせて今井は唸る。
「今井君、投げ出さなければ誰でも良い点取れるわよ」
「洋平、取り敢えずヤマだけでも覚えたら?」
四つくっつけた机。今井の隣に居る太刀川も呆れ顔だ。
「マジ無理だって。ちょこっとのヤマも全教科やったらパンクしちまう」
「全教科一気にやろうとするから解らなくなるのよ。馬鹿ね」
「馬鹿だって。洋平」
「うるせー」
「あ、今井君が言い返さないなんて……」
愛美の隣にいる清水がつい口を挟む。斜め前の今井がギロリと睨んだ。
「清水、お前って本当タイミング悪いよな」
「え……?あ…?」
「清水、後で覚えてろよ」「ほら見ろ。洋平怒っちゃった」
「た、太刀川君助けてくださいよぉ」
ぎゃあぎゃあと話が脱線していく。三人共考えることに飽きたのだろう。特に今井は新しい玩具を手に入れたように潤いだす。


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