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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.9-8

「藤塚さんは結婚しないの?」
「しない」
女子の中で一人、スーツを着たスマートな愛美は見た目同様クールな返事をする。
「多少自由がないと仕事に疲れるし」
あれほど嫌っていた母の仕事だったが、オーナーという仕事は頭脳労働であった。手伝いがいつしか仕事となり、お店には殆ど出ないがクラブのオーナーである。
「委員長も意外な職業だよな。初めて聞いたときは耳を疑ったし」
金髪のメッシュが目に眩しい今井が笑う。
「俺もこう見えて建設業ってやつだから、超意外っしょ?」
ほら見て、筋肉!と腕を捲くると仕事着焼けの肌。真面目に仕事している様子がわかる。
「まあ、身体だけが取り柄だからな」
その隣で刺身を食べながら焼酎を傾ける、のはクラスの王子、であったはずの太刀川だった。
「英一だって似たようなもんだろ。整備士なんか」
「土建と一緒にすんな」
長かった髪は短くなり、仕事帰りであろう、つなぎが似合っていた。王子との呼び名は過去の産物になっている。

「でもまあ、皆元気そうで良かったじゃないですか」
のほほんと語る清水に冷たい視線が突き刺さる。何年経ってもイマイチ空気の掴め無い男だ。
「清水、このメンツで集まったんだ、話題は高三の期末の話しかねーだろ」
「洋平、ストレートすぎ。でも、あの時の大河内の言葉。今なら解るかもな」

誰もが悩んだあの夏。
それぞれの二週間。
期末考査も終わり、夏休み目前の最後の授業で大河内はレポートをそれぞれに返した。

あの時の言葉は今も胸に染みている。


「お前等がこの課題の後に得たものは計り知れない。快楽だけじゃ無い。人生の始まりを知った者、愛を知った者、悲しみを、悔しさを、自分の愚かさを、弱さを、勇気を、そして、誰かを大切にすることを。それぞれが知り、学び、吸収したことは一生忘れられない筈だ」

「歳を重ねると人は間違いを正すことを回避する。誰かを傷つけても顔を背け、自分を正当化して取り繕う。そんな大人が普通で、凄く格好悪い。真面目な事を語ってても傷付けるセックスをするのは最低だ」

「傷つかない人間はいない。それが二週間で俺が学んだことだ」

「お前達の葛藤や手にしたものは何だかわからない。だが、以前との自分よりは確実に成長しただろうと推測する。そんな気持ちを大事にしてほしい、俺はそう思う」



「お前達を使ったゲームだったが、俺の負けだ」





FIN


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