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桜の木の下で
【学園物 官能小説】

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桜の木の下で-1

<1.あたしのバイト>
「くぅ……たまんねぇなぁ……」
あたしの頭の上で今日の「客」は切ない声で呻いている。
「あぁ……そうだ。……もっと深くくわえて……そう、上手くなった……」
まるであたしを育てたかのような口ぶり。残念だけどあたしはあんたにフェラを教えて貰った覚えはない。
自分で、たくさん経験して体得してきたもの……自信過剰は勘弁して欲しい……。
……あ、いけない、この「バイト」をしている時に余計なことを考えないようにしているのに。
あたしは気持ちを切り替え、できるだけ感情を無にして、ただ往復運動を繰り返す。
ジュブ……ジュポ……ジュル……
感情をどれだけ抑えても、えっちな音はする。でも、男が気持ち良くなるかどうかにあたしの感情なんて全く関係ない……ほら……
「うぁぁ……出る……出る!美樹ちゃん、出すよ!」
「んっ……」
あたしはこぼさないように口をすぼめ、男の先端をしっかりとくわえて、手を早く動かして棒をしごいていく。
たまに顔にかけようとする勘違いバカがいるけど、あたしは腕をからめてでも絶対に口を離さないようにしている。
今から貰ったバイト代で遊びに行ったり服買ったりするっていうのに、顔や服をあんなもんに汚されたらたまったもんじゃないからだ。
でも、大抵の男は勘違いするし、やっぱこいつも例外じゃなかった。
「美樹ちゃん、そんなに口に欲しいのかい?」
違う。違うよ、バカだね……
「美樹ちゃんエッチなんだねっ!じゃあ、口にたっぷり出してあげるよ!」
男は嬉しそうに一生懸命腰を振る。自分の性欲に支配されて、出すことだけ考えて、バカミタイ……
「くっ、もう……限界だ!出る、出るよ」
自分勝手に腰をふり立てて、自分勝手にイく……いわばあたしはオ○ニーの道具みたいなもんか……
あたしの口中を苦い液体が支配していく。
ドクッ…ドク……
口の中で大きく波打つ男のモノ……あたしは精液が好きでも嫌いでもない。
けど、あの後味だけはダメ……だから、男がイきそうになったら口にたっぷり唾液を溜めて一気に飲みこむ。
それならなんで出さないかって?う〜ん、理由は2つある。
ひとつは、口から出しちゃうと大抵の男はすごくがっかりした顔になるから。「バイト」をして「客」からお金を貰うわけだからサービスはちゃんとしないとね。
最近はAVの影響らしいんだけど手にこぼして、なんて要求してくるのもいるけど……で、それをまた飲んでくれ、て意味分かんない。
もう1つは、あたしの変なポリシー。あたしが唯一信じられた小学校の時の先生が、教えてくれたことわざ。
「良薬口に苦し」
……今あたしを癒やしてくれる薬は、お金。どんなにしんどい「バイト」をしても、お金を貰ったら疲れは吹き飛ぶ。
それはまさに口に苦い精液と引き換えだから、何かそれを出してお金だけ貰うと、お金が本当に薄っぺらいものになってしまいそうで、自分の心の寄りどころがなくなってしまいそうだから……
親友のサチにその話をしたら大笑いされたし、ことわざの使い方間違ってるとは思うけど、意地もあって「バイト」を始めてからずっと続けている。



「あぁ……美樹ちゃん……良かったよ……」
あたしの髪を撫でながら、うっとりした声で男が呟く。
どうして、一発ヌいてあげただけで、さもあたしをモノにしたかのように振る舞えるのか……そこらへんもあたしには到底理解できそうにない。
あたしは、そう……ただ「バイト」をしてるだけ。あんたに心を許した覚えはないよ。わからないだろうけど……


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