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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 13-2

***

「よう、小僧」
「……どうも」

病院の前で突っ立っていた俺の肩に手が置かれる。
振り返ると奏のお父さんだった。

今は会いたくなかった。

「やぁーっと現れやがったか」
ニヤニヤと笑うお父さん。
なにがそう可笑しいのか。
「病院の前でタバコ吸っちゃ、出入りする人の迷惑ですよ」
「……チ」
お父さんは持っていたカフェオレの缶に吸いかけのタバコを入れる。
この人は甘党なのか…?

それにしても、本当に恐くなくなったな。

そんなことを考えていると、お父さんに再び肩を叩かれる。
「今から奏に会いに行くんじゃねーのか?」
「……」
「奏のやつ、お前に嫌われたみたい、だとよ」
違う、嫌われたのは俺だ。
「なあ、奏になにしたんだ?」
「……」
「てめえはまた俺に殴られたいのか、あ?」
突如お父さんの雰囲気が殺気立つ。
「結局、てめえは半端もんだったのかよ」
「……」
なにも言い返せない。
「……」
お父さんは何か言いたげな顔をしていたが、黙って病院に入っていった。

今日は帰ろう。


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