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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 12-1

「……うう」


俺は一人、アパートで寝込んでいた。


風邪をひくなんて久しぶりだ。
それも高熱のオマケ付き。

久しぶりに会社を休んだ気がする。
取引先とはうまくいってるだろうか…

無意識に枕元に置いてあった携帯を手に取って後輩の番号を押そうとする。

しかし、全く力が出ない。

やがてガクッと腕の力が抜ける。


「二人は元気にしてるだろうか…」
うわ言のように口から言葉が吐き出される。

「俺は一人寂しくここで…美沙…奏…今までありがとう…」
そう呟いて目を閉じる。


すると家のチャイムが鳴った。

すぐさま現実世界に引き戻される。
いや別に死にかけてるわけじゃないけど。
「勧誘に違いない。俺は勧誘が嫌いだ」
そう勝手に決めつけて居留守を使う。

しかし、ピンポンピンポンピンポンと連ボタン。

だーくそ、うるせえ…

観念して起き上がると、玄関からガチャリと鍵が開く音。

「あ…空き巣!?」
さっきのチャイムは人がいるかどうか調べたのか…
やばい、この体じゃ抵抗できない…
前にニュースでやってた連続強盗殺人犯だったら…

「美沙…奏…すまない」



「兄貴、なに言ってるの?」

ああ、最後に美沙の声が聞けてよかった…

「春陽さん!大丈夫ですか!?」

奏まで…二人で会いに来てくれたのか…

これで思い残すことは…


「って本当に来たのかよ!!」

目の前には美沙と奏がいた。


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