陽だまりの詩 12-8 二人が帰った部屋は、再び静寂な空間と化した。 部屋は片付き、テーブルの上には残ったお粥の入った土鍋。 冷蔵庫には食材が詰め込まれている。 熱もほとんど下がり、風邪の症状はだいぶ消えていた。 明日には出社できるだろう。 二人が来てくれて本当に助かった。 だが、俺の中では言い知れぬ不安が渦巻いていた。 「……奏」 俺は、奏を傷つけたんじゃないか?