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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 10-2

***

リハビリも終わり、奏は病室で着替えを始める。


俺はいつものように廊下で待っているのだが…

「…ふう」

暇だ。

奏はおっとりした性格からか、こういった動作が遅い。

良いことを思いついた。
「…奏、飲み物買ってくるな」
「は、はいっ」
扉の前でぼーっと待っているのもなんだしな。


エレベーターで一階に下りて、売店へと足を運んだ。

「……」


困った。


温かいのと冷たいの、どちらにしよう。

既に秋とはいえ、まだ暑い日もあるし寒い日もある。

汗をかいた後だし、やっぱり冷たいのか?いや、今日は寒いし温かいのか?

「……」

結局俺は、ホットコーヒーを一つと、アイスカフェオレとホットカフェオレを一つづつ購入したのだった。

次は奏に好みを聞いておこう。

よく考えてみると、俺は意外と奏のことを知らない。

もっと知っていこう。

こんな小さなことでもいいから。

奏が困ったときに喜んでもらえるように。


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