異世界の放浪者 第二話-2
「おっ来たね〜」
そう言い脱いだ服を片手にしている俺の体をみる。
「君妙にこの世界の服似合うね…」
「それは私が選んだからね♪」
「あんた関係あるのか?」
「ひどい言い様ね?」
「そんなひどいこと言った覚えはないとおもうが?」
店員の人と言い合う彼女。
ここの店に来る間少々話をしていたら彼女は自ら「ミラル」と名乗ってきた。短い間しか接していないがかなり社交的なのがすぐさまわかった。
「まぁそんなことはいいや。代金はあれでね?」
「あいよ!」
ミラルはそう言って店員に手を振り俺のもとにに歩みよる。
「それじゃそろそろ状況説明といきますかな?ちょっと私について来てね?」
そう言うと俺に背をむけ歩きだした。俺はその後を見失わないように着いて行った。
まず信じられない話だった。
そもそもミラルの説明はこの世界にきて奇跡とも言われるようなものを見せられれば信じれないわけでもないが、現に俺はその奇跡とも言えるような物や出来事を見ている。信じざるを得ない感じであった。
ミラルに最初に切り出された言葉はこうだった。
「君はまずこの世界の人間ではない」
そのセリフからミラルは淡々と語りだした。
この世界の名はニュートリアルとゆう。この世界には魔法使いなどが多く存在していると言う。治癒魔法や火を起こす魔法など、まず魔法を悪用する人はあまりおらず生活に使う人が大抵らしい。だがその大抵の中に含まれないものがいる。つまり魔法を悪用するやつらのことだ。っと言っても個人的に悪用するため団体で悪用することはない。つまり魔法などを使っての戦争などがないのだ。そしてその悪用内容もだいたい決まっていた。その主な悪用内容が俺がここにいる理由だった。
「それは召喚術」
「召喚?ってなんか呼び出したりするあれか?」
ミラルは首を縦に振りまた説明し始めた。
「召喚術は火を起こしたりする魔法や治癒の魔法と比べて使いやすい魔法なの。だから初心者の魔法使いでも見よう見まねで召喚術を行う人ができるわ。召喚する目的は色々あるわ。召喚したものを自分の使いにしたり、あとは旅のお供などや変わったひとは恋人が欲しくてって人もいるわ。だけど面白半分で召喚術をする人もいるのよ…。それで召喚されたのはあなただと思うわ。」
「それはどうして…?」
「あなたを召喚した術者が近くにいないからよ。」
首を傾げる俺。そんな俺に申し訳なさそうに説明した。
「術者はね召喚する目的なく召喚することを禁じられてるの。もしそれが発覚したら何らかの罰が与えられるわ。それを防ぐために目立たない場所で召喚術を行い、できるだけ遠い街に召喚するのがだいたいだわ。悪気がなくちょっとした手違いなどで違う街に召喚しちゃった…ってのもたまにあるけどそれは極一部に過ぎない。なかなか失敗するものじゃないのよ。もし失敗したとゆう嘘を着いても嘘発見魔法があるため言い逃れは不可能。でもその術者を見つけるのは凄く困難なの。見つけるまでがね」
「んじゃ術者が見つからなかったら俺は元の世界には…」
「ん〜…残念だけど戻れないわ」
耳が痛いほどの事実を聞く俺。
「生活面での面倒は私や国が見るわ。そうゆう決まりになっているの」
そう言いミラルは俺のトンファーを手に取る。
「あとこれはいつも持ち歩いてた方がいいわ」
そう言って振り回している。
「もし術者が近くにいる場合異世界から持って来た物が光るのよ。大抵の人は服の切れ端とかを腰にぶら下げてたりしてるわ。だけどこんな立派なもんあるしそれになんかの武器でしょ?」
トンファーに向けていた目線を俺にむけ、ニコリと笑みを見せた。