燃えるよりも萌えよ-5
「俺さ、」
やめて。
「真樹に謝らないといけない」
それ以上言わないで。
「真樹、実は俺、ずっと『ツンない』見てたんだ」
「…えっ?」
思わず涙が止まる。
剛太は話を続ける。
「考えたら俺、いつも自分の話しかしてないなぁって。だから優里に聞いたんだ、『真樹の好きなことって何?』って。そしたら『ツンない』のこと教えてくれて…。俺、真樹ともっと話せるようにDVD借りて、今までの話を見て、今週のも見てたんだ。でも、『ツンない』って長いんだな。たくさんDVDがあるから、なるべくたくさん見ようとして、ダッシュで家帰って見てたから、だから…。とにかくゴメン!!」
「えっ…、じゃあ…」
「うん、優里に昨日聞いたけど、俺は真樹のこと騙してないからさ。そういえば俺、ちゃんと言ってなかった。」
「俺は真樹のことが大好きだ。だから付き合って下さい」
「…私も大好きです、…剛太」
そう言うと剛太は驚いた表情を見せて、それから、いつものような満面の笑みを見せた。
それを見た瞬間、私の中で何かがはじけた。
そして。
「真樹、どうしたんだよ?」
「うん、う、嬉しくて、私、幸せだよ」
溢れてくる涙。これは昨日流した涙じゃない、喜びの涙だ。