特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.7-6
「いやぁぁぁぁぁ、やめてぇ!!!!!!!!!」
首を振り、手足をばたつかせ、英理子は必死に逃げようとした。だが、啓介に負けないほどの体格を持つ弘樹に敵うはずも無く、英理子の手は軽々と頭上でまとめられ、涙を流すぐらいの抵抗しか出来なかった。
「黙れよ、けーすけは居ないんだからよ」
べろりと耳たぶを舌でなぞられて、英理子は酷い吐き気を感じる。酷く酒臭い。触れられた場所から腐っていく気がした。
「いいじゃん一回くらい。今日だってヤってたんだろ?」
完全に目が据わって別人の様だ。抵抗なんて、いざとなっては出来ない。力の差は歴然で、こんなふうに力で捩伏せられたら自分は無力でしかない。
「けっ、こんなに濡らして。誘ってんだろ?ガキのような身体して、けーすけの趣味だろ」
無毛のそこを抓られ、げらげらと笑われる。
痛さと吐き気に肌が粟立ち、相手の顔を見たくない為に英理子は窓を見た。結露がつうーっと流れ、段々と周囲を巻き込んで大きな水滴となる。
きっと今、この瞬間も水滴の流れた後のようなものだろう。同じ水滴は二度と出来ない。忘れよう、忘れてしまえば、また啓介という大きな愛に辿り着けるはず。
早く終わってほしい。解放させて。痛くて、気持ち悪くて、私、死にたい。
つうーっ、つうーっ
ぽたり
つうー、ぽたり
「ほら、いくぜ、…あぁ、っあぁぁぁ」
ぐちゅんぐちゅん、と自分の体から聞こえる音なのに遠くに聞こえた。弘樹も手早く済ませたかったのだろう、呆気なく叩き付けるように吐精し、ゴムをさっさと始末して出ていった。
解放された手首は押さえ付けられた痕が赤く残り、どさりと荷物の様に捨てられた脚はガクガクと震えていた。
愛されて大切にされてきた英理子の秘部。今は見る影も無く、真っ赤に擦れてぽっかりと口が開いている。限界まで広げられ、目茶苦茶に中を荒らされた。痛みはすでに麻痺していて、下半身はまるで別物の様に機能できない。
ああ、汚れてしまったんだ。
そう理解した瞬間から、耐え切れない悲しみが後から後から湧き出てくる。
自分の身に起きた出来事。悲しい、悔しい、恥ずかしい、気持ち悪い………言葉に言い換えられない様々な負の感情で心がいっぱいだ。
「うぅ、……っう、うう」
噛み締めた唇の隙間から鳴咽が漏れてしまう。零れ落ちる涙も悔しい。手繰り寄せた毛布に啓介の匂いを感じて、また涙が溢れてしまう。
啓介に知られたら
そう考えるだけで心がザワザワと不安になる。嫌われてしまうのではないか、捨てられてしまうのではないか。寝ていたとは言え、体を許してしまった自分を啓介は許せないだろう。
どうしよう。どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう………!!!!
不安で体が震えてくる。
そうだ、まずは服を着なきゃ…。だが、神様なんてどこにもいない。
ドアを開ける音、啓介が
「……え?」
啓介が……いた