陽だまりの詩 4-7
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奏の病室を出たあと、真っ先に美沙の病室へ向かった。
ガラッと勢いよく扉を開ける。
「美沙」
「バカ兄貴、もうノック忘れたの?」
「お、ま、え、な、あ!」
詰め寄って頬をつねった。
「あいたたたた!何よ!」
「奏に変なことおしえやがって…」
「?」
コイツ…なんだっけ?って顔をしやがったな…
「発作の真似」
「あ!あ、あの子、あれ実行したんだ。関心関心」
腕を組んでニヤニヤする美沙。
ニヤニヤするならすぐに思い出せよ…
「お前もあんなくだらんことよく覚えてたなおい」
「覚えてるわよ、衝撃的な匂いだったわ」
お兄ちゃん、すごいショック。
「…あのな、今回だってパニクりそうになったんだからな、ましてや発作の真似なんかさせやがって」
こればっかりは引き下がらない。
もう見たくないんだ、大切な人が目の前で苦しんでいるなんて。
俺の気持ちを察したのか、しゅんとする美沙。
「ごめん、度が過ぎた」
「もうやめてくれよ」
「うん」
「あとな」
「なに?」
「……ありがとうな」
くしゃっと美沙の頭を掴む。
「……痛いわよ変態」
お兄ちゃん、またもショック。