unknown quantity〜未来への道〜-9
「!奏真様!!」
「そ、それは…!」
冷静な皇華が驚いた。と同時に麻里香も驚きを隠せなかった。
「奏真様!何をさせるつもりですか!?」
すると、麻里香がその刀を掴もうとする。
「“真無刀(しんむとう)”…。私を主にしなさい!…………っ!!」
だが、刀が意志を持つように結界を張り麻里香を拒んだ。麻里香は窓まで吹っ飛ばされた。その様子に奏真は笑う。
「ははは。…ダメだよ、麻里香。“真無刀”は主を選ぶんだから。皇希さんか僕以外に使った事がないんだから。」
「くっ!」
麻里香は悔しいように顔を反らした。奏真は宗也の方に見直し喋る。
「さぁ、宗也くん?麻里香みたいに跳ね返されるか、掴む事が出来るかやってみてくれないか?」
「…で、でも…」
宗也は恐怖の表情だった。当然、麻里香の事で頭が一杯なんだろう。
「…少し助言しよう。宗也くんが望む未来は“ハンター”になる事かい?」
奏真は今まで通りの優しい笑顔で言った。
「……解りません。」
宗也は真剣な眼差しで奏真を見た。
「…なら、それでもいいよ。簡単だよ。掴んで持ち上げる。そんだけ。やってみて?」
奏真は宗也を焦らせるように促した。
「もう……どうにでもなれ!!」
宗也は目を瞑り、勢いよく“真無刀”に右手を差し伸べた。
「……」
宗也は恐る恐る右目を開けた。手は“真無刀”に触れていた。
「持ち上げてみて?」
奏真は言った。
「………………あれ?……重っ!」
宗也は右手を挙げようとしたが、“真無刀”はまるで机と一体化したように浮かなかった。そして、重量感があったようだ。
「あはは、だろうね〜。……もういいよ、宗也くん。」
宗也は手を離した。奏真は確認すると右手で掴み余裕で持ち上げる。
「え?なんで?」
奏真は笑顔で喋る。
「どうやら、触れられるだけらしいね。一応“資格”はあるみたいだね。それだけでも十分だよ。」
奏真は“真無刀”を腰に戻した。皇華は奏真を睨んでいた。