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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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仮装情事。〜鉄の女と人気レイヤー〜-13

「京香さん、原因はきっとそれです!」

茫然。
最初は「何の事だ?」と思って。

――そして、その意味を理解して。

「…まさか…」
その後最初に出てきた言葉は、それ。
信じられない、という意味を示す言葉に対し、哲也はやや真面目な顔をする。
「何でかはわかりませんけど…多分、コスプレをしてキャラになりきった事で、興奮したんじゃないでしょうか?」
その顔で、彼はやや自信がなさそうに言う。言ってる事も大事な所が欠けている気がする。
「…気が付いたら俺の事、ディーンって呼んでましたし」
でも、既に私は察してしまった。

つまり、私は「コスプレをしないと興奮できない」という事。

「……全く…原因がわかったと思えば、まさかそういう性癖だったとは…」
難儀なものだ――私はため息をつく。
「…これで私の性格だと、付き合う相手の条件がだいぶ限られてしまう…」
なんて呟いていると、哲也が苦笑い。
「…大変ですね…」
彼の言った言葉はどこか他人事のよう。実際他人事なのだが、私はついむっときた。
「大変どころではないぞ、哲也。何せ、彼氏が欲しかったら……」

…ん?

続きを言いかけて、止まる。
言おうとした続きよりも、もっと良さそうな言葉がある気がしたのだ。
「……」
腕を組んで考えてみる。
「……」

――あ。
あったじゃないか。おあつらえむきの続きが。

「…京香さん?」
ぴんとひらめいた時、何か言いかけて黙り込んだ私を不思議に思ったらしい哲也が呼びかけてきた。とりあえずそれに反応して、彼の方を向く。
「…きょ、京香さん?」
たじろぐ哲也。当然だろう。
何せ、今の私は――

きっと、何か企んでいるかのような笑みを浮かべていただろうから。

「…そういえば哲也。君にはお礼をしなくてはならないな」
その笑みのまま、私は哲也の下顎に手を滑らせる。
「え……お、お礼、ですか…?」
「そう…」
そして、顔をゆっくりと近付ける。
顎は手でがっちりと押さえ、逃げられないようにして。
「…濡れない原因に気付かせてくれた、お礼…」

とびっきり濃厚なキス。

押さえた時に軽く開いた口に、さっと舌を忍ばせて、わざといやらしい音を立てて舐め回してやる。
不意打ちに哲也は最初、抵抗の意志を示してじたばたするが、そんな事をしたって止めやしない。
両腕で抱きつき、密着。
キスは続行。
すると、そんなに経たないうちにじたばたしなくなる。それどころか、積極的に舌を絡ませてきて、私に抱きついてくる。どうやら、受け入れる気になったようだ。
「ん……ぷはっ」
そのタイミングで、私は唇を離した。哲也は物欲しそうにしているが、生憎と「京香」の状態では気持ちが高ぶらない。
だから、迫ろうとする彼の唇に人差し指を当てて押し止めると、私は静かに言った。


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