西森自己満ラジオの夜明け〜森ちゃんだまし〜-1
それは一通のメールから始まった。
西森自己満ラジオ毎回楽しませて頂いてます(*^^*) もしよければ森ちゃんが合コンするみたいな設定なんかどうですか?
照れている森ちゃんも見てみたいです(*^o^*)
あゆさんから送られて来たリクエスト。それを見た番組スタッフは動いた。
照れてる森ちゃん、見せてあげたい。その一心で今回のプロジェクトは進んで行った。
「このラジオのおかげでね、最近のライブはお客さんがわりと入るようになったらしいね。それだからか知らないけど、森ちゃんさ、最近テングになってるよな」
森ちゃんと共にパーソナリティをやっている、西浩一氏はこう語る。
「だからさ、そろそろ鼻を折ってやらないとダメだと思う訳。やるならとことんやろう」
定例の企画会議、森ちゃんをどう騙すか。白熱した議論が六時間にもわたり続いた。
そして、プロジェクト決行の日がやってきた。
森ちゃんの定期ライブ。月に一度、150人ほどが入る事のできるライブハウスを借りて行われている。
ライブが始まった当初は10人前後しか来なかった客も、今では10倍、つまり100人を集めるほどになっている。
その会場に男を一人向かわせた。
彼こそが、今回のプロジェクトで欠かすことのできない仕掛人である。
森ちゃんの好みのタイプはセ○ン・○ミュ。全く英語が喋れないくせに、外国人が好きなんて馬鹿としか言い様がない。
森ちゃんの好みにあわせて、スタッフが会場に向かわせたのはイギリス系のハーフ、島田リキッド(偽名)。モデルを本業にしている、いわゆるイケメンである。
彼がライブ終了後、森ちゃんのもとに花束とメールアドレスを書いたカードを渡す。普段、そんなことされたことのない森ちゃんは、ドッキリだとは気付かずにメールをしてくるだろう。
ここからすべてが始まる。
リキッドに小型マイクを付けてもらい、スタッフ達は事の行方を忍び聞く。
ライブが終わりをつげた、いよいよリキッドが動きだす。
裏口で森ちゃんがでてくるのを待つ。
来た。
リキッド 「森さん! ライブ素晴らしかったです」
森 「あ、どうも」
リキッド 「これ、森さんのために用意しました。どうぞ」
森 「あ、どうも」
どうやら、森ちゃん突然の出来ごとに理解が追いついてきていないようだ。
リキッドはさらに続ける。
リキッド 「森さんの生の歌声に感動しました。あ、そうだサインいただけますか?」
森 「は、はい」
リキッドが差し出した色紙にサインを書く森ちゃん。
リキッド 「あの、震えてますけど。大丈夫ですか?」
森 「だ、だ、大丈夫ですよ」
目の前にいるのが、自分好みの男前だとやっと把握できたのだろう。でも、平然を保とうとする森ちゃん。