西森自己満ラジオの夜明け〜森ちゃんだまし〜-2
リキッド 「ありがとうございます」
森 「いえいえ。ちょっと汚いですけど……」
リキッド 「いやいや。ずっと宝物にしますよ。そうだ、これ。僕の連絡先なんですけど、よかったら連絡ください」
カードを無言で受け取る森ちゃん。音声しかないのでどんな表情をしているのかはわからない。
最後に握手をし、リキッドは立ち去った。
次の日、さっそく森ちゃんに動きがあった。
ラジオでも共演した、西さんの妻である西恵さんに、森ちゃんからメールが届いたのだ。
森ちゃんは普段から、よく悩みを恵さんに相談するらしく、今回は恵さんにも全面協力して頂いている。
森 『昨日、ファンの方からメルアドを渡されたのですが、どうすればいいと思いますか?』
いつもは、顔文字や絵文字で文面を可愛らしく飾る森ちゃんだが、よほど悩んでいるようで、簡素にそれだけ書かれていた。
恵 『そのアドレスをくれた人は、もしかして美玖ちゃん好みの人?』
森 『なんで分かったんですか!?』
恵さんは騙しサイドの人間なので知らないはずがない。
恵 『文面からにじみ出てたわ。で、美玖ちゃん的にはどうしたいの?』
森 『わからないんです。どうすればいいんでしょうか?』
恵 『連絡先をくれたってことは気があるってことでしょ。美玖ちゃんが好きになっちゃったなら、連絡してみたらいいんじゃない?』
森 『わかりました。連絡してみます』
森ちゃんが罠にはまった瞬間だった。
それから数十分後。
森ちゃんに教えた連絡先にメールが入った。差出人は、当然森ちゃん。
森 『森美玖です。いつも応援ありがとうございます。 お花ありがとうございました、まだ部屋に何本か生けてあります。また、来月もライブやるんで是非来てください。 これからも応援よろしくお願いします(*‘‐^)-☆』
このメールが届いた携帯は、リキッドが所持しているのではなく、この男が持っていた。
中山 「あ、きましたね。なんだか、お礼しか書いてないです。 でも、こっちから口説いていけば落ちるでしょ」
そう、中山P。日頃、出会い系サイトでつちかったメール術を駆使し、リキッドとして森ちゃんを口説き落とす役を買って出たのだ。
リキッド 『森さん、連絡して頂きありがとうございます。 あこがれの森さんからメールをいただいたというだけで、僕は心臓が破裂しそうになってしまいましたよ』
とかなんとか、森ちゃんを褒めて褒めて褒めまくっていく。
それから半月もの間、メールのやりとりを続けていった。
そして、デートの約束が交わされた。