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和州道中記
【その他 官能小説】

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和州記 -或ル夏ノ騒動--13

「一紺…?」
「何やろなぁ、ほんまに…俺ってしょーもないわ」
自嘲するように口の端を吊り上げ、一紺はがりがりと頭を掻きながら言った。
「暫くお前を抱けんかったからか」
その言葉に竜胆の頬が思わず赤くなる。
「元気になったお前見たら…その、急にお前を押し倒したなって…」
最後の方は一紺自身も気恥ずかしいのか、声が小さくなっていた。
こんなに竜胆を求めていても、一紺が今の彼女を抱こうとしないのはあくまで彼女の身体が大事だと思っているからだ。
病後で、おまけに月のものが来ている時だ。竜胆自身も嫌がるだろう。
「せやから、俺のことは構わんといてや。お前の近くいたら…あかんねん」
竜胆はそんな一紺の言葉に暫し考えを巡らせた後、すっと立ち上がって壁に背を預ける一紺の目の前に座り込んだ。
「…ほっとけ言うたやろ…おぉッ!?」
一紺が素っ頓狂な声を出したのも無理はない。
竜胆は一紺の元に屈み込むと、その着物を肌蹴させた。
「おい…ちょ、待ち!」
制止の声などお構いなしだ。
「んぅッ!」
竜胆はその細い手で一紺のものを掴む。
そして己の先程の口付けで濡れた唇を彼の一物に寄せた。
「り…ッ」
くちゅ、と濡れた音。
彼女の結い上げた暗緑色の長い髪が揺れ、一紺の腿を撫でる。
「分かってる、溜まってるんだろ!?」
少し怒ったように声を上げたのは、照れている証拠だ。
そして一紺が苦笑を浮かべるより早く、竜胆は唾液を絡ませた舌で亀頭をぐるりと舐めた。
そのまま口内へ咥え込み、頭を前後させる。
「ん…竜胆」
一紺は呟き、優しく彼女の頭を撫でた。
すると、咥えたままの竜胆が顔だけ上に向ける。
上目遣いで自分のものを咥えるその姿は、あまりにも刺激的だ。
竜胆の口内で、一物が更に硬さを増す。
「一紺…」
くちゅ、と竜胆が唇を離し、一紺の先走りと自分の唾液を手に絡めた。
そして濡れた手を一紺の一物に絡め、ゆっくりと扱き出す。
根本から扱き上げると、一紺が気持ち良さげに溜息を漏らした。
「ちょ…あかん、それ…」
上ずった声に、竜胆も嬉しくなる。
手を動かしたまま、再び舌先を雁首に絡ませる。
舌先を尖らせて窪みをなぞれば、一紺の喉が仰け反った。
「気持ち、いいか?」
「ん…ええよ」
再び上目遣いで問われ、一紺が顔を赤くして答える。
そして彼女の髪をくしゃくしゃと撫でながら、自らも腰を動かした。
「ん…んむ…はぁッ」
竜胆の舌が裏筋を舐めると、ぞくりとした快感が背に走る。
「あッ…そこ、な…そこ、あかん」
うわ言のように呟き、一紺が限界近くまで張りつめた一物を、彼女の口の中で前後に動かす。
そんな彼に笑みを浮かべながら、竜胆もまた咥えながら巧みに舌を絡ませる。
じゅる、と音を立てて一物を吸えば、淫らな音が二人の耳朶を犯した。
「も、イキそうや、竜胆」
一紺の切羽詰った声。
竜胆が再び前へ後ろへと頭を前後させて、一紺のものを唇でもって扱く。
空気を含んだ濡れた音が絶えず聞こえ、二人を昂らせる。
「ん…くちゅ、ちゅ…」
「あ、あッ、あかん、イク――ッ」
彼自身の腰の動きも、その速さを増していく。
がくがくと竜胆の頭が揺れた。
しかし、決して一紺のものは離さない。
「あああ――ッ!」
竜胆の頭を掴み、一紺が彼女の口内で果てる。
彼女は未だ彼のものを咥え込み、吸い付いていた。
軽い射精感が幾度も一紺を襲う。


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