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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?5〜難航のプレゼントとこめられたコトノハ〜-4

「すみません…思い至らなくて…」
「大丈夫です。いきなりさっきの頼み事されたら、誰だって疑問に思うでしょうから。そんな頼み事をした俺の方に責任はあります」
彼女の表情と言葉に、誠司は慌てて擁護の言葉を言った。すると、湊はその言葉を聞いて、少しその表情をやわらげる。
「…なんだかお互いに、ですね」
そしてそう言った後、彼女は一拍置いて言葉を続けた。

「…じゃあ、誠司さんのプレゼント選び、お手伝いします」

誠司の目が丸くなる。聞いた言葉が嘘みたいで、彼は確認してしまった。
「…本当、ですか?」
「はい。二人なら、一人でぐるぐる考えるよりもいい考えが浮かびますよ?」
対する湊は、微笑をたたえて頷く。それから、彼の手を取って握る。
「プレゼントは誰にとっても大事なものですから。一緒に考えて、いいものを送りましょう?」
そして、協力する事を明確に告げる。その事が予想外だったらしく、誠司はあっけにとられた様子で握られた手と湊の微笑を交互に見つめていたが――

「…お願いしますっ」

心強い味方を得たような気持ちで、その手を握り返した。


それから数分。
「…ところで、その人が気に入りそうな物について、何か心当たりはありますか?」
百貨店を出た所で、湊は誠司に問いかけた。対する誠司は、唸るような声を上げて考えてから、彼女に言う。
「…結構お酒が好きですね…よくブランデーとか飲んでますし。後は…ちょっと気に入るって話からは外れますけど、光り物が嫌いです」
「…お酒が好きで光り物が嫌い…」
人差し指を顎に当て、考え込む湊。ややあって彼女は、「あ」と何事かを思い出す。
「私の知り合いにも、そういう人がいます。『チカチカした物は嫌いだ』って言ってあまり光り物を買わなくて、酒に滅法強い人」
「へぇ…その人、他にはどんな?」
「そうですね……仕事以外はあまり見栄を張らない、といった所でしょうか。『プライベートで見栄を張ると疲れる』と言ってました」
その言葉に、誠司は驚く。
「そうなんですか?知り合いも似たような事を言ってました」
すると、素直に驚きを露わにした誠司に対してなのか、湊はくすりと笑った。
「…珍しい事もあるものですね。似た嗜好の知り合いを持っているだなんて」
「そうですね…共通の知り合いならともかく、同じ嗜好の知り合い、だなんて」
そして、誠司も湊につられて笑った。


二人は、いろいろな場所を回った。
雑貨店。酒店。服飾店。その他もろもろ。
途中で昼食の時間になり、二人で食事もした。
それらの過程の中、ふと誠司は気付いた事があった。

――それは、二人の間で「言葉が絶える」という時間が、あまりなかった事。
初めて会った合コンの時や、二度目に会ったそば屋の時では口数が少なかったはずの湊が、予想以上に話し続けていたのだ。そして、それにつられて誠司もあれこれと話をしていた。
その話題は、どれも統一性のないもの。仕事の話かと思えば、互いの趣味に移ったり、好きな本の話になったりと、行き先同様あちらこちらへと移り変わり、尽きる事がない。
しかも、言葉が尽きる時はもっぱら、品物を吟味している時や食べ物を口にしている時。それ以外ではあまり途絶える事がなく、ほとんど絶え間なくと言ってもいいのではないかと思える程。

どうしてそうなったのかはわからない。しかし、それによって二人が急に、そして更に打ち解けていた。


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