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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?5〜難航のプレゼントとこめられたコトノハ〜-3

「…あげる相手の事は知りませんけど、プレゼントを買う場合、ここは不向きではないでしょうか?」

真面目な顔で、アドバイスと断言できる言葉を発した。
「…へ?」
てっきり、何か気付かれてしまったのかと思っていた誠司は、予想とはまるっきりあさっての方向にいった言葉に、間の抜けた声をこぼしてしまった。
「…不向き…ですか?」
「相手によりますけど…あまりいい選択ではないと思います」
呆気にとられる誠司を前に、湊は少し考えながら述べた。そして、人差し指をぴんと立てて、言葉を続ける。
「あまり高価なプレゼントは、受け取った相手も使い道に困るでしょうし、人によってはもらった相手に対して、『今度あの人にプレゼントを贈る時は、相応のものを贈らなければ』という思いこみをしてしまう事があります。そういった変な気遣いって、友人関係にしろ交際関係にしろ、必要ないと思うんです。だから高級品が並ぶここは『不向き』だと思ったんですけど…」
そこまで言った後、湊は何かに気付いた様子で、気まずそうに首を傾げた。

「…ひょっとして、余計なお世話でしたか?」

最後の一言。
湊が話すのを黙って聞いていた誠司だったが、彼はその一言にはっとなった。
すぐさま、自分の顔の前でぶんぶんと手を振り、否定の意思表示をする。
「い、いえっ!ちょうどプレゼントに悩んでいた所だったんで、助かりましたっ!」
「…そう、ですか?」
「はいっ!」
そして彼女の確認には、明瞭な肯定。湊の発言を、実際に「貴重なアドバイス」として受け止めていたからこそとれる、堂々とした態度である。
すると、一瞬の間を置いて、湊がほっ、と胸をなで下ろした。
「…よかった。お節介な人と思われたらどうしようかと思いました」
漏れた呟きに、ふと誠司は首を傾げる。
「あれ…?前に会った時も、似たような事言いませんでしたか?」
「あ…」

空白。

「すみません…私、人にどう思われているのか、どうしても気にしてしまうんです」
間を置いた後、湊はそう言って、苦笑した。
「そうだったんですか……なんか、わかる気がします」
対する言葉は、同調。誠司は肩をすくめ、やはり苦笑する。
「社会人になると、どうしても他人の目が気になってくるんですよね…」
「はい…なんだか、変な目で見られているような気がして…」

――言葉が途絶え、二人の周りを雑踏の音が囲う。

「「…はぁ」」

そして気がつくと俯き、どちらともなくため息。どうやら、互いの苦労を思い出してしまったらしい。
しかし、すぐに立ち直り、再び互いに目を合わせる。
「あの…ちょっといいですか?」
先に口を開いたのは、誠司。前置きの後、彼は遠慮がちに話し始める。
「ここで会ったのも何かの縁ですし、プレゼントの事で困ってる所でしたから……その、できれば…プレゼント選びを、手伝っていただけないでしょうか…?」
「…私に、ですか?プレゼント選びでしたら、そう何度も会っていない私よりも、気心が知れた知り合いの方が余程いいと思いますけど」
いかにも、何故、と言いたげな表情。湊は首を傾げ、その理由を問う。
「…あ。もしかして、それができるなら最初から…してますか?」
だが、何か思い当たる所があったらしい。遠慮がちに、しかしはっきりと言う。
「…してますね、きっと」
それに対する誠司の返事は明確。頷いた彼は、苦笑いを浮かべた。すると湊は、申し訳なさそうな顔をする。


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