第3会議室…3-9
「部長。
本日業務が終わりましたら、私用ですがお話がありますので、第3会議室でお待ちしております。
19時頃はどうでしょう?」
−−あたしと部長がああなったきっかけは、あのメールだった。
『本日の19時、第3会議室まで来るように。』
そのメール通り、第3会議室に行くと、ミスを指摘されて。
あたしは部長の前で脚を開き、自慰をさせられ、そのまま犯された。
たとえ好きな人だとしても。
絶対忘れることなんて、許すことなんてできない事実。
だけど。
もし部長があたしのことを女として、恋愛の対象として見てくれているとしたら?
「19時に第3会議室…?
−−ああ、かまわないが」
「そうですか。
ではそういうことで、19時に第3会議室でお待ちしています。
すみません、私用から先に話してしまいまして。
…今日の予定ですが−−」
<PM6:58>
「…お待ちしていました」
時計が19時を回る前、部長はやってきた。
「何だ、話って…」
あたしは会議室に椅子に座っていて、部長があたしの前まで近づいてくる。
近づいてきた部長を見上げた。
もう、迷いはしない。
「今朝、社長の方から話を聞いたんじゃないのか。
俺は、星野を犯して、だからその処分を本人に任せると。
そう聞いたんじゃないのか…?」
「ええ、聞きましたよ。
でも、あたしは知りませんでした。
部長に亡くなった大事な人がいたことを」
あたしは立ち上がる。
部長は目をそらすけど、あたしは目をそらさない。
まっすぐ、部長を見つめた。
「あたしは、部長に結婚を前提にした彼女がいるんだと思い込んでいました。
周りも、そう噂をしていたし…
だから言えなかったんです。
部長のことを好きだって。
ずっと好きだって言えなかったんです」
「…え?」
「好きです、部長のことが。
あたしにあんな仕打ちをしたとしても、好きだって事実は変わらなかった」
「お前、本気で言ってるのか…?
俺は…なんてことを…」
部長は、あたしを抱き寄せた。
痛いくらいに、あたしは抱きしめられた…