王子様至上主義〜ホラー編(変)〜-1
変態です!あぁぁ…いきなり間違えてしまいました。大変です!遂に…遂にその時が来てしまったんです。それは王子のこんな些細な一言がきっかけでした。
「おい、湯浴みをするぞ、セイン。」
いきなり大胆なその発言に、僕は思わず小躍りしてしまいました。…勿論心の中で、ですけど。
『ねぇ、セイン…ちゃんと奥まで洗ってよ…』
ふふふ…王子ったら外見はストイックなのに中身はとんだ淫乱なんだから…。あー、でも指じゃココまでが限界ですよ、王子。
『い…意地悪しないで…。分かるだろ…?もっと太くて長いモノじゃなきゃ満足出来ない…』
王子の欲しいモノは私のこの腰刀ですか?いいですよ、ではしっかり貴方の鞘に納めて下さい。
『ぁ…ああ…っ!そうだよ、もっと…ァ…すごい…っ』
す…すごいなのは貴方です王子!
…は!ついつい妄想が…しかも今回はなかなか強力な妄想でした。危うく還らぬ人になるところでしたよ。敵はかなり手強いようです。
え?すごいのはお前のその妄想力だって?いいんです…妄想はタダですから…。
なんて事を言っている場合ではありません。王子が…王子が私の前にその白く艶やかなきめ細かい肌を露出しました。ボタンを外した隙間から垣間見える禁断の花園に魅入られていますと王子が伏せた瞼をゆっくり開きこちらを見て…
「…何をしている。湯浴みをすると言っているんだ。早く出て外を見張っていろ。」
鳴呼…毒言を吐く貴方のその朱い唇すら素敵です。あ…また涙が…。
早々に追い出された僕は、ここから更なる地獄に苛まれてしまいます。
「は…ぁ…気持ち…」
王子ぃぃー!その発言は極めて危険です!僕の息子が臨戦態勢に入ってしまいました!!思わず僕は耳を塞いで扉の前に座り込みます。残念…扉の隙間からは王子の麗しいお姿が見えないのです。そうこうしている内に、水音が鳴り始めました。水音はヤバイですってば、水音は…。ああ…すごいパチャパチャと…。するとまたもや…
「ん…熱…。(水の勢いが)激し…」
その発言に思わず僕はゴンッと盛大に扉に頭を叩き付け、額を襲う痛みで理性を保ちます。当然「何事だ!」と風呂場から聞き返してくる王子の声などもはや耳には入りません。王子…これは俺に持久力を付けろという事ですか!?焦らし・放置プレイなんですか?!それはあまりに鬼畜ですよ…おあずけなんて…っ!
「何事だと聞いている!無事か、セイン!」
どうやら慌てて上がって来たらしき王子の声が頭上から降り、何とはなしに僕は王子を見上げました。な…なな何という事でしょうか。王子が腰巻き一丁で目の前に…!しかも王子の息子さんが今まさにこの目の前の腰巻き一枚を隔てたところに存在している…っ
気付けば鼻血を噴いていました。何だか嫌そうに引きまくった王子のそのヒクつく頬ですら麗しい…。
「セ…セイン。風呂を使う事を許可する。綺麗に洗え。それまで私に近付くな。」
鳴呼…何てお優しい…。そそくさと退散した王子と入れ代わり、私は湯浴み場へと足を踏み入れました。
こ…ここで先程まで王子が生まれたままの姿で悦がり狂っていたんですね?そしてこの足元にある布が、先程まで王子の肌の上を淫らに這い回っていたんですね?!そ…そしてこの湯舟が先程まで王子を包み込んでいた液体…。
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